反復する低音障害型感音難聴10例の検討

  • 平尾 隆
    Department of Otolaryngology, Yokosuka North Mutual Hospital
  • 平田 佳代子
    Department of Otolaryngology, Yokosuka North Mutual Hospital
  • 佃 守
    Department of Otolaryngology, Yokohama City University School of Medicine

書誌事項

タイトル別名
  • Repeated acute low-tone sensorineural Hearing loss

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説明

急性低音障害型感音難聴は一般的には予後良好と考えられていたが、なかには難治性のものや再発、反復するもの、メニエール病に移行するものなどもあり、長期間経過を観察する必要がある。今回、1995年5月から1998年10月の間に33例の急性低音型感音難聴を経験し、そのうち10例に反復傾向を認めた。そこでこの反復例に注目し、その臨床像と病因を単発例とも比較しながら検討した。性別は女性に多く、年齢は21歳から63歳 (平均40.4歳) に及び、主訴では耳閉感、耳鳴が多く認められた。検査では、CT、MRI 所見には異常なく、3例でグリセロール試験を施行し、2例が陽性所見を示し、内リンパ水腫の存在が示唆された。経過は、1例がメニエール病に移行し、3ヵ月以上経過観察できた8例で治癒6例75%、固定2例25%であった。今回私達の経験した反復例において、グリセロール試験が高率に陽性となり、一般的に考えられているように、内リンパ水腫との関連が強いと思われた。

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