マウス, ラットおよびスナネズミの心房筋細胞における心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP) 顆粒の微細構造について

書誌事項

タイトル別名
  • Fine Structure of Atrial Natriuretic Peptide (ANP) -granules in the Atrial Cardiocytes of the Mouse, Rat and Mongolian Gerbil
  • マウス,ラットおよびスナネズミの心房筋細胞における心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)顆粒の微細構造について〔英文〕
  • マウス ラット オヨビ スナネズミ ノ シンボウ キン サイボウ ニ オケル

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抄録

マウス, ラット及びスナネズミの心房ならびに心室筋細胞を免疫組織化学的に, 右側の心房及び心耳筋細胞を透過電子顕微鏡で観察し, さらにこれら細胞のANP顆粒を形態計測により解析した。免疫組織化学的には3種の動物種共に, 心房にANP陽性細胞がみられ, なかでも右側の心耳が最も強く反応した。これらの反応はスナネズミよりマウス・ラットの方が, より顕著であった。一方, 心室筋にはいずれの動物種共に, ANP陽性細胞は認められなかったが, 時に心室中隔の心内膜下に陽性細胞が存在した。電顕的には3動物種の心房筋ならびに心耳筋細胞は種々の大きさのANP顆粒を有し, その数も様々で, それらの顆粒はおもに核周囲のゴルジ野にみられ, 筋原線維間にも少数存在した。これらの顆粒は2種類に分類でき, A顆粒は限界膜を有する電子密度の高い均質無構造の顆粒で, B顆粒は限界膜が不明瞭でA顆粒に比べ電子密度が低い微細線維粒状の顆粒であった。形態計測的に右側の心耳筋ならびに心房筋細胞のA, B顆粒の数および両顆粒の数は, スナネズミに比ベマウス, ラットが有意に多かった。3動物種において, 両顆粒の数は心房筋よりも心耳筋細胞に有意に多かったが, A顆粒とB顆粒の数においては有意差はみられなかった。A, B顆粒の大きさは, 心耳筋, 心房筋細胞共にスナネズミに比べマウス, ラットが有意に大きく, また, A顆粒がB顆粒に比べ, いずれの動物種共に有意に大きかった。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 40 (2), 183-193, 1991

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (5)*注記

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