電気射精により採取したカニクイザルの精液における精子濃度の周年変動

書誌事項

タイトル別名
  • Annual Sperm Concentration Variation in Semen Collected by Electroejaculation in the Cynomolgus Monkey (<I>Macaca fascicularis</I>)
  • デンキ シャセイ ニ ヨリ サイシュシタ カニクイザル ノ セイエキ ニ オケ

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抄録

カニクイザルの基礎データを得る目的で, 簡便な装置を用いた電気射精法により採取した精液中の精子濃度の周年変動を検討した。精子濃度の測定は雄4頭から2週間の間隔で, 2および3年間継続して採取した。その結果, 精子濃度はサンプル間の変動が大きいことが明らかとなり, その変動範囲は107~109/mlであった。精液性状は1射精当りの精液量と精子濃度の平均値が, それぞれ0.10~0.16ml, 154.54~267.17×106/mlの範囲であった。本法により得た精子の運動1生は, 活発な前進運動を示す精子の割合が60~80%を示し, 良好であった。また精液量・精子濃度が高値を示す個体は精子運動性も良好であった。以上のように, 年間を通して電気射精で採取した精液中の精子濃度はサンプル間に変動があった。その要因として, 電気射精が誘起される際に, 精子の貯蔵部位周辺の筋肉の収縮は採取間で一律ではないため射精に差が生じ, 精子濃度に変動を来したものと推察する。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 43 (1), 25-31, 1994

    公益社団法人 日本実験動物学会

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