Tyzzer菌によるハムスターのいわゆる“wet tail”集団発生について

書誌事項

タイトル別名
  • An Outbreak of “Wet tail” in Hamsters due to the Tyzzer's organism
  • Tyzzerキン ニヨル ハムスター ノ イワユル wet tail シュウダ
  • An Outbreak of “Wet tail” in Hamsters due to the Tyzzer's organism

この論文をさがす

説明

1975年の2月から4月にかけて, 都内某研究所で集団発生したゴールデンハムスターの多数の死亡をともなうwet tailの原因を究明するため, 病因・病理学的検索, 伝達試験を行った。剖検された11匹中10匹に出血性腸炎が, 5匹の肝には, 針頭大の淡黄色または乳白色の壊死病変が認められ, 腸および肝の塗抹標本に, Tyzzer菌と思われる桿菌が多数認められた。発症ハムスターの腸管乳剤を健康ハムスターに経口投与すると, 10~14日で自然例と同様の症状を発現死亡し, 腎および肝の塗抹標本に多数のTyzzer菌が認められた。汚染床敷を入れたケージを54日間室温に放置した後, 健康ハムスターを入れると, 5~19日目までの間にwet tailを発現死亡し, 腸および肝の壊死病変部には, 多数のTyzzer菌が認められた。この事実からwet tailの集団発生に, Tyzzer菌の芽胞が重要な役割を演じていることが示唆された。

収録刊行物

  • 実験動物

    実験動物 26 (2), 123-129, 1977

    公益社団法人 日本実験動物学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ