マウスの系統間における乳量曲線の比較

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タイトル別名
  • Milk-Production Curves of Four Strains in Mice
  • マウス ノ ケイトウ カン ニ オケル ニュウリョウ キョクセン ノ ヒカク

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説明

泌乳期における乳量曲線, 合計乳量がマウスの系統問で差があるかどうかを検討する目的で, C57BL/6, C3H/He, NC, SSの4系統を用いて比較を行なった。<BR>実験に使用したマウスは, いつれの系統とも60日令で交配し, 生後約80日令で分娩した第1産の雌を用いた。分娩後は, 各系統とも哺子数を6匹に揃えて, 同一の飼育管理条件下で実験を行なった。乳量の測定は, 午前8時より午後4時までの8時間, 6匹乳子を母親から離した後, 1時間母に哺乳させ, 哺乳前と哺乳後の体重差をもって母の泌乳量とした。測定は分娩後4日~20日令まで1日おきに行なった。また, 乳量測定したと同じ材料について, 生時と12日令の6匹乳子の体重を測定し, 12日令における増体量, 増体率を求め, 乳量との関係を検討した。<BR>得られた主な結果は次のものである。<BR>1.哺乳期における乳量曲線は系統によって異なった型を示した。また, 分娩後4日~20日まで1日おきに測定した乳量の合計は, C57BL/6系では11.89, C3H/He系では12.89, NC系では11.29, SS系では14.19で, SS系とC3H/He系の乳量が多く, C57BL/6系とNC系の乳量が少ないことが明らかにされた。<BR>2.乳量曲線における最高泌乳時は, 系統によって異なるが, 一般に, 乳量曲線は分娩後14~16日頃まで上昇し, それ以後, 離乳まで下降する傾向がみられた。<BR>3.分娩後4日~20日までに1日おきに測定した乳量の合計値が大きい値を示したSS系とC3H/He系は, 12日令における6匹乳子の総重量, 増体量においても, C57BL/6系, NC系よりもはるかにすぐれた値を示した。<BR>本研究の機会を与えられ, 種: 々御援助たまわった藤田潯吉場長, 柴田重孝研究第一部長に感謝の意を表する。近交系マウスの分与をたまわった東京大学田嶋嘉雄教授, 東北大学西田周作教授: , 名古屋大学近藤恭司教授に深謝する。実験動物の飼育に助力された鈴木伍助氏に厚くお礼申し上げる。

収録刊行物

  • 実験動物

    実験動物 18 (4), 159-164, 1969

    公益社団法人 日本実験動物学会

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