<I>Pasteurella pneumotropica</I>の選択培地

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タイトル別名
  • Selective Media for <I>Pasteurella pneumotropica</I>
  • Pasteurella puneumotropicaの選択培地
  • Pasteurella puneumotropica ノ センタク バイチ

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抄録

油日ラボラトリーズにおいて繁殖, 維持していたDSマウスコロニーに, 1977年10月頃から皮下に膿瘍を形成するマウスの出現を見た。本症状は経産雌マウスにおいてのみ観察され, 膿瘍部から分離された細菌は生物学的な性状試験によりPasteurella pneurraotropicaと同定された。本菌を咽喉頭部および腸内容物から選択的に分離するため種々の抗菌物質について, そのMICを調べたところ, 亜テルル酸カリウム, カナマイシン, バシトラシンの添加が有効であることが判明した。そこで, これら3種の抗菌物質を, Heart infusion agar (HIA) にFildes消化血液 (10%) を加えた培地に添加し, 本菌の選択分離用培地としてNKBT培地を作製した。また, 増菌用液体培地としてGNbrothにFildes消化血液 (10%) と亜テルル酸カリウムを加えたTGNbrothを考案した。本菌の分離に当たって, 咽喉頭ぬぐい液はNKBT培地へ直接塗抹する方法を採用したが, 腸内容物については, まず, TGNbrothで培養後, NKBT培地で後培養する方法が良好であった。特に糞便を対象とする場合TGNbrothで増菌後, NKBT培地で後培養することにより, 高率に本菌を証明できた。したがって, これらの培地を使用することにより, 動物を殺さずに, 本菌の潜在感染を容易に把握することが可能になった。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 36 (3), 229-237, 1987

    公益社団法人 日本実験動物学会

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