女子大学生の飲酒行動と意識に関する調査

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タイトル別名
  • Behavior and attitudes of female university students regarding alcohol drinking in Japan
  • ジョシ ダイガクセイ ノ インシュ コウドウ ト イシキ ニ カンスル チョウサ

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抄録

目的 若年期は飲酒習慣の形成において重要な時期であり,結婚•妊娠•出産を将来に控えた若年女性が飲酒に関する正しい知識と節度ある飲酒習慣を獲得することは,公衆衛生上重要な課題である。若年女性の飲酒の問題とその対策を考える基礎資料を得ることを目的とし,本研究を実施した。<br/>方法 愛知県内の大学に通う女子大学生を対象に,飲酒に対する意識と知識について,問題飲酒者のスクリーニングツールである AUDIT を含む自記式質問紙を用いた調査を実施した。976人から協力が得られ,不適切回答を除く902人分を解析対象とした。<br/>結果 対象者は年齢20.2±1.3(平均±SD)歳で,うち274人(全体の30.4%)が未成年者であった。非飲酒者(全く飲まない人)の割合は未成年者の方が多かったが(成人10.4%,未成年者31.4%),非飲酒者を除外すると,飲酒頻度,一回平均飲酒量のいずれも成人と未成年者間で差はなかった。一気飲みの経験,飲酒による体の不調が「よくある」または「たまにある」と回答した飲酒者は,一気飲みについては18.3%,体の不調は31.3%であった。全体の過半数(54.8%)が飲酒に伴う不愉快な経験をしていた。適度な飲酒量を問う質問については全体の62.7%が正しく答えていたが,飲酒量が多いものほど多く回答する傾向がみられた。AUDIT の得点は,ひとり暮らし,初飲年齢が若い,運動系部サークルに所属する人で高く,11点以上(問題飲酒の疑いあり)の人は62人(全体の6.9%,飲酒者の8.2%)いた。<br/>結論 若年女性が一気飲みをする機会は20年前と比較して減っているが,飲酒による体調不良経験者の割合は増えており,飲酒に伴う迷惑行為の経験者も過半数を占めることが確認された。若者がマナーを守り,自分の限度を超えた飲酒を行わない意思を自発的に養っていけるような保健教育および社会環境の整備が望まれる。

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参考文献 (23)*注記

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