透析患者における末梢動脈疾患の管理および下肢血流評価に関するアンケート

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タイトル別名
  • Results of a Questionnaire Survey on Peripheral Artery Disease Management and Lower Extremity Blood Flow Evaluation for Dialysis Patients
  • トウセキ カンジャ ニ オケル マッショウ ドウミャク シッカン ノ カンリ オヨビ カシ ケツリュウ ヒョウカ ニ カンスル アンケート

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説明

<p>【要旨】透析患者の新規の四肢切断率は高率であり,四肢切断の有病率は年々増加している.四肢切断後の患者は ADL や QOL が低下するだけでなく生命予後が不良であることから,透析患者における足病対策は非常に重要であると考えられ,2016 年 4 月の診療報酬改定で「人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価」が算定可能となった.今回,透析施設での末梢動脈疾患の管理の実態調査を行い,この調査を今後のガイドライン作成や足病対策に生かすことを目的に行った.結果,診療報酬改定により,フットチェックおよびフットケア,下肢血流検査を全患者に施行する施設が増加していた.また,2017 年の東京都における下肢切断既往の有病率は 424/13,020 人(3.3%),切断部位は大腿切断(AK)10.6%,下腿切断(BK)34.7%と,患者の歩行機能が著しく制限される大切断が45.3%と約半数を占めていた.血液透析は週 3 回の通院が否応なく必要となり,歩行が困難となった場合,患者の ADL や QOL が低下するだけでなく,患者家族の負担増加,医療や福祉財政への負担となる.維持透析クリニックでの PAD の予防,早期発見と治療,連携病院での重症下肢虚血(CLI)に対する集学的治療が必要となる.今回の診療報酬改定は維持透析クリニックへの加算であったが,維持透析クリニックでの足病管理だけでなく,PAD 患者を紹介される基幹病院にも影響を与えていることが分かった.クリニックと基幹病院の連携により1人でも多くの救肢がなされることが期待される.</p>

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