飼料のエネルギー含量のマウスの繁殖, 肥満, 脱毛および加齢に及ぼす影響

  • 鈴木 敏明
    新潟大学大学院自然科学研究科 日本農産工業株式会社中央研究所筑波試験場
  • 田名 網祥一
    日本農産工業株式会社中央研究所筑波試験場
  • 藤原 弘
    株式会社ヤクルト本社中央研究所
  • 石橋 晃
    新潟大学大学院自然科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of the Energy Density of Non-purified Diets on Reproduction, Obesity, Alopecia and Aging in Mice
  • 飼料のエネルギー含量のマウスの繁殖,肥満,脱毛および加齢に及ぼす影響〔英文〕
  • シリョウ ノ エネルギー ガンリョウ ノ マウス ノ ハンショク ヒマン ダツ

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抄録

マウス用の固形飼料を考案するため, 粗蛋白質が24%と一定でエネルギーを段階的に変えた4種の固形飼料を約3年間C57BL/6Jマウスに給与した。飼料の窒素補正代謝エネルギー (MEn) は乾物当たり最低2.86最高3.73kcal/gであった。1飼料区に対し雄15匹雌30匹ずつを割り当て, 7週間隔で雄と雌を1週間同居させて5回の交配を経験させた後, 寿命まで飼育した。60週齢以後の瀕死期のマウスは病理組織学的検査に供した。最高MEnの飼料においては最低MEnの飼料に較べて, (1) 子マウスの離乳時体重が31.6%増大し, (2) 雄は雌と異なり繁殖期間中から軽度の肥満傾向が現れ, (3) 50週齢以降は雄雌とも著しく肥満して最大体重がそれぞれ41.2および49.6%増大し, (4) 飼料摂取量は約18%減少したがMEnの摂取量はわずかに過剰となり, (5) 雌マウスに加齢に伴い高率に脱毛が発生し, (6) 50週齢以後の生存率が低下して寿命が短縮し, (7) 加齢に伴う病理組織学的変化が早期に出現した。一方, 飼料のMEnの低下に伴い, 雌マウスの分娩時の死亡率が増大した。以上から, C57BL/6Jマウスの一生を通じ, MEnが高低2種の飼料, 即ち, MEnが3.73kcal/gDMの飼料を最良の繁殖成績を得るために, 2.86kcal/gDMの飼料を繁殖期以後の長期飼育における肥満と加齢の最も効果的な抑制のために, 必要とすることが判明した。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 40 (4), 499-509, 1991

    公益社団法人 日本実験動物学会

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