雄ラットの加齢に伴う交尾行動の変化

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タイトル別名
  • Effect of Age on the Copulatory Behavior of the Male Rat
  • オス ラット ノ カレイ ニ トモナウ コウビ コウドウ ノ ヘンカ

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抄録

10, 27, 44週齢のWistar-Imamichi系SPF雄ラット計15匹を用い, 同居開始後2時間の交尾行動をビデオ装置を用いて録画・観察した。乗駕のみの発現率は全群100%であり, 平均回数は加齢に伴って増加し, 10週齢群の33.8±8.3 (±標準偏差) に対し, 44週齢群は60.2±18.7であった。挿入の発現率は10・27週齢群が100%, 44週齢群が80%であり, 平均回数は加齢に伴って有意に減少し, 10週齢群の42.4±6.6に対して, 44週齢群は8.0±10.1であった (P<0.01) 。射精の発現率は10・27週齢群が100%, 44週齢群が40%であり, 平均回数は挿入回数と同様, 加齢に伴って有意に減少し, 10週齢群の6.8±0.8に対し, 44週齢群は1.6±2.3であった (P<0.01) 。同居開始から初回乗駕までの平均潜時では27週齢群が最も短い値を示した。同居開始から初回の挿入までの平均潜時も27週齢群が他の2群に比べ有意に短かった (P<0.05~0.01) 。初回の挿入から射精までの平均潜時および初回の射精から次の交尾シリーズの最初の挿入までの性的不応期の平均値は, 10週齢群に比べ27週齢群の方がやや長いが有意な変化ではなかった。雄との交配に供した雌の着床数は, 10週齢群が15.0±1.0個, 27週齢群が15.4±2.6, 44週齢群が, 8.8±8.0であり, 44週齢群のみ0の個体が2例認められた。体重および前立腺腹葉重量は, 加齢に伴って増加した。精巣, 精巣上体および精嚢重量は, 27週齢時でプラトー値に達した。陰茎重量は, 44週齢群が, 10・27週齢群に比べ重い値を示した。以上のごとく, Wistar-Imamichi系雄ラットの交尾行動は加齢に伴って変化し, 44週齢時の妊孕能は10および27週齢時に比べ低下していた。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 41 (3), 259-268, 1992

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (2)*注記

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