小型ヤギいわゆるシバヤギの遺伝子構成

書誌事項

タイトル別名
  • Gene Constitution of Miniature “Shiba” Goats
  • 小型ヤギいわゆるシバヤギの遺伝構成
  • コガタ ヤギ イワユル シバヤギ ノ イデン コウセイ
  • Gene Constitution of Miniature “Shiba” Goats

この論文をさがす

説明

長崎県下に原産地をもつ小型ヤギ, いわゆるシバヤギの遺伝学的調査がおこなわれ, 以下の知見を得た。<BR>1.長崎県下では飼養個体数が近来激減し, 現在シバヤギの飼養が見られるのは新魚目町と外海町の2町, 飼養頭数計190頭にすぎない。<BR>2.形態学的遺伝形質は原産地においては均質化に向かいつつあり, また農林省畜産試験場コロニーと東大農学部附属牧場コロニー, 特に後者は高い均質度を示す。シバヤギは一般に白色で有角, 肉髯を欠き副乳頭をもつ。<BR>3.血液蛋白27座位の遺伝的変異を電気泳動法により検索すると, 変異性は日本ザーネン種を下廻り, 特に東大牧場コロニーにおける変異性は著しく低い。シバヤギの在来ヤギとしての純度は沖縄肉用ヤギよりも高いと考えられる。<BR>4.東大牧場コロニーの低変異性の原因を血統分析によって調べたところ, 意識的近交は避けられる傾向があるにも拘わらず, 基礎畜の数が少なかったこと, 集団サイズの小さかったことが主因となって近交度の上昇をきたし, その結果, 集団の遺伝子構成が均質化したと推測される。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 27 (4), 413-422, 1978

    公益社団法人 日本実験動物学会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ