小型肥満マウス (C57BL/6J-ob/ob) における膵島の初期病変について

書誌事項

タイトル別名
  • Early Lesions of Pancreatic Islets in Small-ob Mice (C57BL/6J-ob/ob)
  • コガタ ヒマン マウス C57BL 6J-ob ob ニ オケル スイトウ ノ

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抄録

小型肥満マウス (C57BL/6J-ob/ob: Small-obマウス) におけるラ島A細胞の増加の時期を明らかにする目的で, 5, 13および21日齢のC57BL/6J-ob系マウスについて膵臓を病理組織学的に検査した。5日齢マウスでは対照動物 (C57BL/6J-+/+) との間に差異は認められなかった。13日齢マウスではラ島は光学顕微鏡的検査で対照動物とほぼ同様な組織所見のみられたマウス (正常マウス) , 一部のラ島に肥大して淡明化したB細胞を認めたマウス (Obマウス) およびA細胞の増加を認めたマウス (Sma11-obマウス) に分類された。電子顕微鏡的検査で淡明化したB細胞には小胞体の拡張傾向が認められた。A細胞の増加したラ島ではごくわずかにB細胞に脱顆粒と思われる空胞が対照動物より多く認められた。A細胞は正常な分泌顆粒に混じって不完全な分泌顆粒が認められ, 一部には粗面小胞体の発達が観察された。21日齢の非糖尿病Obマウスではラ島とB細胞の肥大が正常マウスより多くの例に認められた。糖尿病Obマウスではこれらの変化が著明であった他, 6匹中2匹の一部のラ島にA細胞の増加が認められた。Small-obマウスではラ島の肥大はなく, B細胞の肥大の程度は正常マウスと同様であった。しかし, 一部のラ島には糖尿病Obマウスより著明なA細胞の増加が認められた。これらのことから, Small-obマウスにおけるラ島の初期病変は6から12日齢の間で発現すると推察された。

収録刊行物

  • Experimental Animals

    Experimental Animals 42 (4), 555-563, 1993

    公益社団法人 日本実験動物学会

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