東日本大震災の避難所における食事提供体制と食事内容に関する研究

  • 原田 萌香
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 東京家政大学
  • 瀧沢 あす香
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 東京家政大学
  • 岡 純
    東京家政大学
  • 笠岡(坪山) 宜代
    国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所

書誌事項

タイトル別名
  • The effects of changes in the meal providing system on emergency shelter menus following the Great East Japan Earthquake
  • ヒガシニホン ダイシンサイ ノ ヒナンジョ ニ オケル ショクジ テイキョウ タイセイ ト ショクジ ナイヨウ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

<p>目的 避難所の食事を改善する新たな要因を探索する目的で,東日本大震災の避難所における食事提供体制(炊き出し回数,炊き出し献立作成者等)が食事内容を改善するか否かを検討した。</p><p>方法 宮城県内の避難所386か所を対象とした,「避難所食事状況・栄養関連ニーズ調査(調査主体:宮城県保健福祉部)」の結果を二次利用し,被災から約1か月後の2011年4月時点での食事内容や炊き出し回数,献立作成者等について解析を行った。</p><p>結果 1日の食事提供回数が0回または1回だった避難所はなかった。食事提供回数が2回の避難所に比べ3回の避難所では主食の提供は有意に多かった(P<0.05)が,主菜・副菜・乳製品・果物について著しい改善はみられなかった。食事回数以外の改善要因について検討したところ,炊き出し回数が多い避難所では,主食・主菜・副菜・果物の提供回数が多かった(P<0.05)。また,栄養士らが献立を作成した避難所では,乳製品および果物の提供回数が多かった(P<0.05)。</p><p>結論 炊き出し実施は,災害時に不足するといわれている主菜・副菜・果物の提供を多くし,さらに献立作成者が栄養士らの場合,乳製品および果物の提供が多かった。これらの結果から,主食が中心となる災害時の食事は炊き出し実施や栄養士らが食事に関わることで改善される可能性が示唆された。</p>

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