“歯の健康づくり得点”による住民の歯の喪失予測性評価

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タイトル別名
  • “ORAL HEALTHINESS SCORE FOR 8020” PREDICTS LOSS OF TEETH IN VILLAGE RESIDENTS
  • ハ ノ ケンコウヅクリ トクテン ニ ヨル ジュウミン ノ ハ ノ ソウシツ ヨソクセイ ヒョウカ

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抄録

目的 「80歳で自分の歯を20歯以上もとう」という8020運動を達成するためには生涯を通じて,口腔保健にとって好ましい生活習慣を維持することが大切である。愛知県の T 村では80歳で20歯以上自分の歯を保有することを一つの目標として,歯の喪失を防止するためのチェック票である,“歯の健康づくり得点”(通称「歯のさわやか得点」)を開発し,1999年(平成11年)より使用している。今回我々は,この歯の健康づくり得点が実際の住民の歯の喪失をどのように予測しているかを知るために,ベースラインから 3 年後まで T 村の住民の歯の喪失状況を追跡し分析評価した。<br/>方法 対象者は愛知県 T 村に居住の住民で毎年行われる住民健康診査(T 村人間ドック)に参加した者のうち,1999年 5 月に行われた歯科の健康診査に参加した住民716人である。1999年の歯の健康づくり得点と喪失歯数の関係について,オッズ比およびその95%信頼区間(CI)を用いて評価を行った。<br/>成績 ベースラインの1999年では一人あたりの保有歯数(平均±標準偏)は,23.7±6.2歯(男性23.0±6.8,女性24.4±5.5),歯の健康づくり得点は13.1±3.9点(男性12.8±4.0点,女性13.4±3.9点)であった。ベースラインの歯の健康づくり得点と追跡時点の喪失歯数のオッズ比より歯の健康づくり得点が平均値の13点では喪失歯の有無,5 点以下では多数歯の喪失の予測が可能であった。<br/> 観察年数の増加に従って,喪失歯数と生活習慣の関係を示す有意なオッズ比が多くなった。女性より男性の方が有意な結果が得られる傾向にあった。<br/>結論 歯の健康づくり得点は喪失歯の予測に有用であり,歯の保有をするための住民の好ましい生活習慣の支援手段として有用であると示唆された。

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