医療機関への立入検査と保健所機能に関する現状と課題

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タイトル別名
  • Study on the functional characteristics of health center related to medical audit to the hospital
  • 資料 医療機関への立入検査と保健所機能に関する現状と課題
  • シリョウ イリョウ キカン エ ノ タチイリ ケンサ ト ホケンジョ キノウ ニ カンスル ゲンジョウ ト カダイ

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抄録

目的 医療法第25条に基づく医療機関への立入検査と保健所機能に関する現状および課題と今後のあり方について検討した。<br/>方法 平成12年度の立入検査の状況について全国592の保健所長および121の自治体主管担当部局へ32項目からなる質問調査を行った。513保健所および64主管部局より得た回答を分析した。<br/>結果 1) 平成12年度において調査し得た保健所管内8916病院のうち92.8%に立入検査が実施された。実施主体は 8 割以上が保健所であったが,実施主体,立入職員数,医師の同行,所要時間など実施方法に自治体間で差異が見られた。2) 病院規模に応じた立入検査の人員数と時間は必ずしも十分でない。3) 医療監視員や保健所長などに対する研修は極めて不十分である。4) 各自治体における立入検査の方法や指導基準の標準化の取り組みは 6 割強の自治体で行われ,院内感染や医療事故防止対策に取り組む保健所が徐々に増えている。5) 医師標準数の不足など指導事項改善の実効性が確保されていない。6) 立入検査に関連する情報開示について今後積極的に進めていくべきとの意見が多い。7) 立入検査の性格を法に基づく管理指導のみならず自主管理支援と考える保健所長が過半数を超えている。<br/>結論 自治体および保健所が立入検査の充実強化を図っていく上で現状には解決すべき数多くの課題がある。今後のあるべき方向性について以下のように提言する。<br/> 1) 基本的に検査すべき最低限の事項の整理を全国的に行い,その上で自治体は地域事情に見合った検査体制を構築すべきである。2) 効率性,専門性,適切性,実効性の観点から検査対象,立入方法,指導基準などを見直す必要がある。3) 立入検査に携わる職員の資質向上について研修の充実など早急に考慮すべきである。4) 医師の同行を必須とすべきである。5) 医療の安全確保は医療機関の責任で行われるべきだが,自治体および保健所も自主管理支援の立場から積極的に関与すべきである。6) 市民の立場に立った情報公開のあり方について検討すべきである。

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