健康科学センターの拠点機能と地域連携の現状

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タイトル別名
  • The role and function of health science center in the community
  • ケンコウ カガク センター ノ キョテン キノウ ト チイキ レンケイ ノ ゲンジョウ

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抄録

目的 健康科学センターの拠点機能を調査し,地域との連携状況を全国健康増進施設連絡協議会加盟施設と比較することにより,今後の健康科学センターのあり方を検討した。<br/>方法 対象は,健康科学センター12施設と全国健康増進施設連絡協議会加盟施設46施設(重複 9 施設)の計49施設である。調査方法は,健康科学センターに対して拠点機能に関する業務実施状況を調査し,健康科学センターと全国健康増進施設連絡協議会加盟施設に対して,地域との連携に関する調査を行い比較した。<br/>結果 1. 健康科学センターの拠点機能に関する業務は 7 項目すべてについて,80%を超える実施状況であった。<br/>2. 健康科学センターと全国健康増進施設連絡協議会加盟施設における地域との連携の有無には有意な差はみられなかった。しかし,具体的な連携内容を比較すると,保健所や市町村の指導者に対する研修と教育,行政の施設利用,行政との共同研究,医療機関から紹介された患者の受け入れ,研究機関からの指導や助言,研究機関へデータ分析の依頼,研究機関との共同研究の 7 項目で健康科学センターの実施率が有意に高かった。<br/>3. 健康科学センターの施設規模の違いによる地域との連携状況の比較では,大規模施設において他の健康増進施設との連携実施率が高かったが,行政との共同研究,研究機関との共同研究に関しては,小規模施設の連携実施率の方が高かった。<br/>結論 健康科学センターが健康づくりの拠点機能を今後より一層充実させるためには,ソフト面の開発を積極的に行い,科学的データをもとに保健所や市町村保健センター,医療機関,他の健康増進施設,研究機関などと連携を図りながら,広く地域に根ざした集団アプローチを具体的に提案していく必要がある。

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