書誌事項
- タイトル別名
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- Impact of parenting behavior relevant to infant's sleep on maternal sleep and health
- ヨウイク コウドウ ガ 4カゲツジ ノ スイミン ハハオヤ ノ スイミン ト ケンコウ ニ オヨボス エイキョウ ノ ケントウ
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説明
背景と目的 乳幼児の夜泣き,就眠困難(以下児の睡眠問題)が母親の睡眠や健康に,また児の睡眠に関連する養育行動(以下養育行動)が児の睡眠問題に影響することが,先行研究より報告されている。しかし,児の睡眠問題と母親の睡眠の関連は明らかでない。さらに,養育行動,児の睡眠問題,母親の睡眠および健康に影響することを包括的に実証した研究はない。本研究の目的は,①児の睡眠問題が母親の睡眠と健康と関連するかどうか,②養育行動,児の睡眠問題,母親の睡眠,母親の健康という 4 要因間の関係に関する包括的な検討,である。<br/>方法 4 か月児健診を受診した児の母親194人を分析対象者とした。調査内容は母子の睡眠習慣と睡眠の問題,母親の健康問題,養育行動であった。養育行動は先行研究を参考に望ましい養育行動と望ましくない養育行動とに分類し,15項目を提示した。母親の睡眠と健康問題,養育行動について統計的な観察を行った後,児の睡眠に問題がみられる問題群(n=40)と,問題がみられない比較群(n=142)とで,母親の睡眠問題と健康問題,児の睡眠に関連する養育行動を比較した。また先行研究を参考に,児の睡眠に関連した養育行動,児の睡眠問題,母親の睡眠問題および健康問題の 4 要因の関係をモデル化し,パス解析を行った。<br/>結果 60%以上の母親は自身の睡眠に問題を感じており,約30%に睡眠障害が疑われた。また,健康問題は80%以上の母親にみられ,「肩こり」が最も多くみられた。児の睡眠に関連する養育行動では,望ましい養育行動である「寝る前に十分授乳・オムツ確認」が80%,望ましくない養育行動である「児の夜間覚醒時にはすぐに授乳やオムツを確認する」が71%と多かった。問題群は,比較群と比べて母親の睡眠問題数と健康問題数,望ましくない養育行動数が多かった。パス解析の結果,望ましくない養育行動が児の睡眠問題に影響しており,児の睡眠問題は,母親の睡眠問題を介して母親の健康問題に影響を与えていた。<br/>結論 30%の母親に睡眠障害を疑う症状がみられた。また,半数以上の母親が望ましくない養育行動を行っていた。望ましくない養育行動は児の睡眠問題に影響を及ぼし,児の睡眠問題は母親の睡眠問題に直接影響を与え,健康問題には間接的に影響していた。
収録刊行物
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- 日本公衆衛生雑誌
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日本公衆衛生雑誌 55 (10), 693-700, 2008
日本公衆衛生学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680481974656
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- NII論文ID
- 130004626175
- 10026522266
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- NII書誌ID
- AN00189323
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BD1M%2FisVagtQ%3D%3D
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- ISSN
- 21878986
- 05461766
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- NDL書誌ID
- 9698911
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- PubMed
- 19068752
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- PubMed
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可