小学生の朝食摂取行動の関連要因

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  • FACTORS RELATED TO BREAKFAST EATING BEHAVIOR AMONG ELEMENTARY SCHOOL CHILDREN
  • ショウガクセイ ノ チョウショク セッシュ コウドウ ノ カンレン ヨウイン

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抄録

目的 本研究は,小学生の朝食摂取行動に関わる要因を明らかにすることを目的として行われた。<br/>方法 調査対象は,大阪府下の 2 小学校の 5 年生196人であった。主な調査項目は,ここ 1 週間の朝食摂取日数の他,朝の食欲,睡眠行動,食に関する知識,朝食摂取に対する態度,セルフエスティーム,社会的スキル,家族の食行動であった。セルフエスティームの測定には,Rosenberg の全般的セルフエスティーム尺度と Pope の家族に関するセルフエスティーム尺度を用いた。社会的スキルの測定には,向社会的スキル,引っ込み思案行動,攻撃的行動の下位尺度から構成される嶋田らの尺度を用いた。<br/>成績 主な結果は以下の通りであった。<br/>1) この 1 週間に毎日朝食を食べた者の割合は男子78.3%,女子70.2%であり,性差はなかった。<br/>2) この 1 週間に毎日朝食を食べた者(毎日摂取群)は,食べなかった日がある者(欠食群)に比べて,朝の食欲があり,就寝時刻が早かった。<br/>3) 毎日摂取群は欠食群に比べて,家族に関するセルフエスティームおよび向社会的スキルの得点が高く,攻撃的行動の得点が低かった。<br/>4) 食に関する知識については,砂糖の健康影響を除いて毎日摂取群と欠食群の間に差はなく,毎日摂取群は欠食群に比べて,朝食を毎日食べることはとても大切であると考える者の割合が多かった。<br/>5) 毎日摂取群は欠食群に比べて,家族が毎日朝食を作る,この 1 週間毎日家族と朝食を一緒に食べた,食事やおやつについて家族と話し合うと回答した者の割合が多かった。<br/>結論 以上の結果より,小学生の朝食摂取習慣を形成するためには,栄養学的知識を与えるだけでは不十分であり,朝食の意義に対する積極的態度,睡眠行動を含む生活リズムおよびセルフエスティームや社会的スキルの形成が欠かせない。このことは,学校における食生活教育に加えて,家族への働きかけが重要な役割を担うことを確認するものである。

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