東京都市区町村の健康寿命算出の行政的検討

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タイトル別名
  • Administrative study to calculate the healthy life expectancy of local governments in Tokyo
  • トウキョウト シクチョウソン ノ ケンコウ ジュミョウ サンシュツ ノ ギョウセイテキ ケントウ

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説明

目的 要介護高齢者の増加の中で介護予防事業の必要性が増しており,あわせてその行政指標が求められている。すでに健康指標として検討されている要介護認定者数を用いた健康余命を住民にも理解されやすい行政指標として使用するために,計算方法の改善を検討する。<br/>方法 行政政策推進に資する指標として改善を行う点として,死亡率計算における人口や死亡数の取り方,および Chiang の方法と85歳以上定常人口計算における簡易生命表の活用などを主な課題とした。厚生労働省の平成12年市町村別生命表と厚生統計テキストブックの生命表作成方法による平均寿命を比較の基とし,4 つの改善方法による平均寿命を検討した。人口は住民基本台帳人口の使用を検討し,死亡数の平均の取り方は二つの視点(当該年から過去の平均値をとる方法,平均値をとる期間)から組み合わせた 4 つの方法をあげ,それら改善法を用いて,都内24自治体の平均余命を計算し,改善法の比較検討を行った。差の検討には大熊らの較差を用いた。また,65歳健康寿命を定義し24自治体の平成12年と13年の推移を検討した。<br/>結果 平均余命は,平成12年市区町村別生命表と厚生統計テキストブックの方法による生命表とに大きな差は無く,住民基本台帳人口を使用した著者らの改善法は前 2 者に比較して男女ともやや低い値をとった。改善法において,死亡数平均値を中央年の平均値(改善法I,II)とするか否(改善法III,IV)かの差は男女とも特に大きくなかった。人口は住民基本台帳人口を使用することが適切と考えられた。改善方法間の相関係数では改善法IIIが適切と考えられた。改善法IIIで 5%以上の較差を示した自治体はなかった。<br/>結論 人口の取り方および死亡数の取り方など改善し,市区町村の行政的需要に応えられる計算法を検討し,改善した方法を用いて65歳健康寿命(東京保健所長会方式)として定義し,報告した。

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