腹腔鏡下前立腺全摘除術の治療成績および周術期合併症の臨床的検討

  • 後藤 景介
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター泌尿器科
  • 甲田 俊太郎
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター泌尿器科
  • 繁田 正信
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical evaluation for operative results and perioperative complications after laparoscopic radical prostatectomy
  • フッコウキョウ カ ゼンリツセン ゼンテキジョジュツ ノ チリョウ セイセキ オヨビ シュウジュツキ ガッペイショウ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

当科で2007年1月から2010年12月までの間に,腹腔鏡下前立腺全摘除術を施行した134例のうち,単一術者の101例につき,手術成績,治療成績につき検討した.開腹移行例はなく,全例鏡視下に手術を完遂した.手術時間は平均215分,出血量は平均459mlであり,症例経験に伴い有意に減少した.術中合併症は7例(6.9%)に,うち直腸損傷を2例(2.0%)に認めたが,術中に鏡視下に二層で縫合閉鎖しえた.術後早期合併症は18例(17.8%)に生じたが再手術を要したものはなかった.病理組織検査で32例(32.8%)が切除断端陽性であり,18例でPSA再発を認めた.Kaplan-Meier法での3年PSA非再発率は74.4%であった.多変量解析で,切除断端陽性がPSA再発に関し独立した危険因子(HR=4.231)であった.術後12カ月時,96.4%で尿禁制は保たれていた.本術式は開放手術と同様の成績が得られ,低侵襲で優れた術式である.

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