「栄養」教育から「食行動」教育へ

書誌事項

タイトル別名
  • Changing Nutrition Education’s Focus on Nutrition to on Eating Behavior: Basic and Applied Studies of Coping Strategies for Temptations on Weight Management
  • 「栄養」教育から「食行動」教育へ : 体重管理における誘惑場面の対策に関する基礎と実践的研究
  • 「 エイヨウ 」 キョウイク カラ 「 ショク コウドウ 」 キョウイク エ : タイジュウ カンリ ニ オケル ユウワク バメン ノ タイサク ニ カンスル キソ ト ジッセンテキ ケンキュウ
  • ―体重管理における誘惑場面の対策に関する基礎と実践的研究―

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抄録

望ましい食生活の実践には、「食物や栄養」に関する知識も必要である。しかし、「食物や栄養」に関する知識だけがあっても、「わかっているけれどできない」人を増やすだけである。食生活の実践には、「食行動」の知識も必要である。しかしながら、「食行動」視点の研究が少ないため、栄養教育に活用できる「食行動」視点のアドバイスが少ないのが現状である。そこで、栄養教育に活用できる「食行動」研究として、体重管理における誘惑場面の対策に関する研究を行った。まず、体重管理の対策の種類を整理するために、質的研究と尺度開発研究を行った。これらの研究によって、「行動置換」「食べ方」「刺激統制」「ソーシャルサポート」「認知的対処」の5つの対策が抽出された。その後、ある企業に協力いただき、体重管理の誘惑場面における対策のアドバイスを中心とした体重管理プログラムを行った。その結果、体重管理の行動変容段階の実行・維持期の者は増え、BMI(body mass index)25 kg/m2の人は減った。この実践的研究は、対策を中心としたプログラムの実施可能性を示した。さらに、体重管理における誘惑場面の対策を用いたカード教材を開発し、保健医療従事者および健康教室に参加した成人を対象に実施可能性を検討した結果、カード教材による学習を「楽しかった」と回答する人が多かった。一方で改良点も提案され、これらを参考に教材を改良した。本稿で紹介したような研究結果が、「食行動」視点のアドバイスには必要である。「栄養」を中心とした教育から、「食行動」視点を加えた栄養教育の実践のために、今後さらに「食行動」学の研究が実施されることを期待する。

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