-
- 兼古 稔
- 上富良野町立病院外科
書誌事項
- タイトル別名
-
- A case of relapsing fever (The first case of domestic infection by <i>Borrelia miyamotoi</i> in Japan)
- 症例報告 回帰熱の一例(国内感染第一例)
- ショウレイ ホウコク カイキ ネツ ノ イチレイ(コクナイ カンセン ダイイチレイ)
この論文をさがす
説明
回帰熱は回帰熱群ボレリアによる感染症で,シラミなどによって媒介される。世界各地での発症報告があるが,本邦では国内感染報告はなかった。今回われわれはライム病と診断した患者血清から回帰熱ボレリアDNAを検出し,回帰熱と診断したので報告する。患者は30代男性。マダニ咬症を認め自己摘除。12日後に高熱と刺口部周囲の発赤を認め,当科を受診した。遊走性紅斑を認め,抗ボレリア抗体が陽性であったことからライム病と診断し,感染症法に基づく届出を行った。後日,国立感染症研究所によるライム病患者血清の遡及調査で,本症例の血清からBorrelia miyamotoi(以下,B. miyamotoi)のDNAが検出された。B. miyamotoiは1995年に発見されたボレリアで,2010年ロシアでのヒトへの感染報告後,世界各地で感染報告が相次ぎ,“古くて新しい感染症”として最近注目を集めている。マダニ咬症後の発熱患者では本症を念頭に治療を行う必要がある。
収録刊行物
-
- 日本臨床救急医学会雑誌
-
日本臨床救急医学会雑誌 18 (1), 63-67, 2015
一般社団法人 日本臨床救急医学会