神経筋電気診断Case of the Issue(No. 1)遠位型頸椎症性筋萎縮症

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  • 遠位型頸椎症性筋萎縮症
  • シンケイキン デンキ シンダン Case of the Issue(No. 1)エンイガタ ケイツイショウセイキン イシュクショウ

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肩腕部の痛みを伴い, 左手指の麻痺を突然発症した65歳男性例。下垂指を呈し, 臨床的に後骨間神経>尺骨神経支配筋に筋力低下を認め, 針筋電図ではこれらに加えて長母指屈筋, T1傍脊柱筋にも脱神経を認めた。これより, C8単独障害を呈する遠位型の頸椎症性筋萎縮症 (CSA) と診断した。頸部MRIの変化は軽度であった。CSAは日本で多く報告されている疾患で, 近位型と遠位型に分けられ, 近位型が多いとする報告が多いが, 筆者の検討では両者同程度の頻度であった。遠位型では下垂指を呈する例が多い。MRIの頸椎症性の変化は軽微な例も多い。後骨間神経麻痺, 神経痛性筋萎縮症, 筋萎縮性側索硬化症が重要な鑑別診断となる。臨床症候 (筋力) と傍脊柱筋を含む針筋電図による障害分布の詳細な検討が, 最大の診断の手がかりとなるもので, 画像のみに頼ると容易に誤診する。神経筋電気診断医の実力が最も発揮される重要な疾患のひとつと言えよう。

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