ブルー,オランダ,スイスチーズにおける血圧降下ペプチド,Val-Pro-ProとIle-Pro-Pro,の遊離

  • 松浦 啓一
    アサヒ飲料株式会社,商品開発研究所
  • 後藤 孝信
    アサヒグループホールディングス株式会社,研究開発部門
  • 川口 恭輔
    アサヒグループホールディングス株式会社,コアテクノロジー研究所
  • 水野 征一
    アサヒ飲料株式会社,商品開発研究所
  • 山本 直之
    アサヒグループホールディンクス株式会社,R&Dセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Antihypertensive potentials of Blue, Dutch and Swiss cheeses containing  Val–Pro–Pro and Ile–Pro–Pro peptides

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説明

<p> Lactobacillus helveticus発酵乳から最初に単離された血圧降下ペプチド,Val-Pro-Pro (VPP)とIle-Pro-Pro (IPP)に関して様々なチーズについて分析した。15種類のヨーロッパタイプのチーズを選び,これら2種類の血圧降下ペプチドをLC-MSを用いて分析した。オランダチーズのライペナーとオールドアムステルダムには高含量のVPP/IPPを,100g当たりに19.9/0.9と10.5/0.9mgづつ含んでいた。スイスチーズのエメンタールとグリュイエールには同様にVPP/IPPをそれぞれ100g当たりに8.0/1.1と5.2/1.2mgづつ含んでいた。注目すべき点として,Penicillium roquefortiで製造される幾つかのフランスチーズ(ブルー・ド・オーベルニュとブルー・ド・カース)にも,高濃度の両ペプチドが,100g当たりにそれぞれ,13.1/31.0と9.9/19.2mgづつ含んでいた。VPPに対するIPPの比はドイツやスイスチーズにおいて,ブルーチーズのものに比べて低かった。ブルーチーズにおける両ペプチドの産生の理由を理解するために,以前, Aspergillus oryzae内のIPPの加工に重要な蛋白質分解酵素であるニュートラルプロテアーゼI(NPI)とロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)について Penicillium属での存在をBLAST検索した。その結果,A. oryzaeのNPIに36%の相同性をもつホモログがPenicillium subrubescensの菌体外金属プロテアーゼ-4に確認された。さらに,A. oryzaeのLAPはP. roquefortiの未同定の蛋白質と同一であった。これらのことから, A. oryzaeのNPIとLAPに相同性を持つPenicilliumのプロテアーゼがブルーチーズの熟成中の血圧降下ペプチドの生成に関与することが示唆された。</p>

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