書誌事項
- タイトル別名
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- Guillain-Barre症候群の電気診断
- Guillain-Barre ショウコウグン ノ デンキ シンダン
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説明
Guillain-Barré症候群 (GBS) は脱髄型と軸索型に分類され, それぞれの病態生理は大きく異なることが解明されつつある。末梢神経伝導検査は末梢神経障害を直接的に証明し診断に寄与する最も重要な補助検査であり, 脱髄型および軸索型の分類に用いられている。脱髄型・軸索型の両亜型はともに, 神経終末部, 生理的絞扼部および神経根部に神経伝導障害が集中する傾向にあり, このことがそれぞれの病型に特徴的なパターンを作り出している。脱髄型GBSの電気生理学的所見としては神経終末部の脱髄を反映し, 遠位潜時の延長と複合筋活動電位の時間的分散が重要である。また「abnormal median and normal sural sensory response」は脱髄型GBSに特異度の高い病初期の所見として重要であり, 神経終末部の感覚神経伝導障害を反映していると考えられる。一方, 軸索型GBSは単純な軸索変性所見を呈するものと想定されてきた。しかし, 近年の神経生理学的研究からは, 病初期に「reversible conduction failure」と呼ばれる一過性の伝導遅延や伝導ブロックを神経終末部や生理的絞扼部に呈し得る病態であることが示されている。従って, 軸索型GBSの病初期には脱髄型の診断基準を満たしてしまうことがあり, こうした伝導障害が一過性であるかどうかを確認するためには, 複数回の神経伝導検査による経時的変化を観察することが重要である。各病型の電気生理所見のパターンとその経時変化を理解しておくことは, 診断のために大切であるばかりでなく, GBSの病態生理を解明していく上でも重要である。
収録刊行物
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- 臨床神経生理学
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臨床神経生理学 41 (2), 103-111, 2013
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680487629056
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- NII論文ID
- 130005003311
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- NII書誌ID
- AA11410258
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- ISSN
- 2188031X
- 13457101
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- NDL書誌ID
- 030738244
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可