尿路ステント留置・交換のテクニック

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  • ニョウロ ステント リュウチ ・ コウカン ノ テクニック

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尿管ステントを留置する際には,治療効果としての効率的な腎盂ドレナージとその効果の継続を十分検討しなければならないが,同時に感染対策,侵襲度,患者のQOLも十分考慮しなければならない.合併症は頻度の低いものも含めると,多岐にわたる.また,トラブルシューティングも重要であるが,尿管ステントを適切に留置することがが困難な場合は,経皮的腎瘻造設術も検討されなければならない.<br> ステントのドレナージ効果は,多くの場合6Fr.で十分期待できる.ステント長については,身長175cm以下では22cmのステントでよいという報告もあるが1),長過ぎると膀胱刺激症状が強く患者のQOLに影響し,短か過ぎると尿管内に迷入する危険があるため,症例ごとの適切な長さの選択が必要と考えられる2).<br> 感染対策は,ガウンテクニックを用いたmaximal barrier precautionsが勧められる3).尿路感染が疑われる場合は感染のコントロールも必要である.侵襲の点からは軟性膀胱鏡を用いる方がよいが,留置困難が予想される症例では硬性膀胱鏡を選択する.硬性膀胱鏡を使用する場合,男性では鎮痛・麻酔を考慮すべきである.<br> ステントは留置期間が長くなると石灰沈着,閉塞,抜去困難の可能性が高まるため4, 5),感染や結石形成など患者背景によりその交換間隔を設定すべきである.ステントの末梢側に糸(pulling string)がついていると,膀胱鏡を使用することなくステントを交換することが可能であり,ステントが尿管内に迷入しても対処が容易であるが,排尿時の尿線飛散などQOLへ影響を与え尿路感染の誘因にもなることに留意しておく.<br> ステント留置時のトラブルとして,尿管口不明,尿管内腔不明,ガイドワイヤーまたはステントに力(トルク)が伝わらない状態などがある.尿管穿孔など重度な合併症を認めた場合には,速やかに腎瘻造設に移行するなどの対応が必要である.

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