経腹膜到達法で行う腹腔鏡下腎摘除術における合併症の傾向と対策

  • 吉野 能
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 松川 宜久
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 佐々 直人
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 藤田 高史
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 舟橋 康人
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 馬嶋 剛
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 石田 昇平
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 松尾 かずな
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 山本 晃之
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 山内 裕士
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 森 文
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 加藤 真史
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 山本 徳則
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学
  • 後藤 百万
    名古屋大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学

書誌事項

タイトル別名
  • ケイ フクマク トウタツホウ デ オコナウ フククウキョウ カジンテキジョジュツ ニ オケル ガッペイショウ ノ ケイコウ ト タイサク

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説明

当科では1997年から現在まで,腎細胞癌に対する腹腔鏡下手術を537例に施行した.このうちの腹腔鏡下腎部分切除術(Laparoscopic partial nephrectomy:LPN)113例を除く424例の腹腔鏡下根治的腎摘除術(Laparoscopic radical nephrectomy:LRN)における術中合併症の部位,頻度,機序について検討した.<br> 合併症の種別を①血管損傷,②臓器損傷,③損傷以外の出血,④非技術的合併症ほかに分類した.Clavien-Dindo分類 IIIa以上に相当する合併症割合はLRNでそれぞれ①28例(6.6%),②10例(2.4%),③3例(0.7%),④該当件数なしであった.①における10例,③における1例で開放手術へ移行した.血管合併症における開腹手術移行割合は35.7%であり,部位別では下大静脈(Inferior vena cava:IVC)からの出血が開放移行となる割合が高かった.<br> 腎細胞癌に対する経腹膜的到達法による腹腔鏡下腎摘除術では,血管損傷において開放手術へ移行する判断が特に重要である.

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