腹腔鏡下副腎摘除におけるトラブルシューティング : どこまで腹腔鏡下で修復できるか

  • 宮川 康
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)
  • 藤田 和利
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)
  • 今村 亮一
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)
  • 植村 元秀
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)
  • 木内 寛
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)
  • 野々村 祝夫
    大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学講座(泌尿器科学)

Bibliographic Information

Other Title
  • 腹腔鏡下副腎摘除におけるトラブルシューティング
  • フククウキョウ カ フクジンテキジョ ニ オケル トラブルシューティング : ドコ マデ フククウキョウ カ デ シュウフク デキル カ
  • ─どこまで腹腔鏡下で修復できるか─

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現在,腹腔鏡下副腎摘除術では大部分の副腎腫瘍に対する標準術式となっている.本術式は低侵襲性に優れているが,不十分な術前評価,少ない術者経験,不適切な手技,術中の誤認などにより,時に重篤な合併症を引き起こす可能性がある.稀ながら,比較的頻度の高い合併症は血管損傷,腸管損傷,肝・膵・脾臓損傷,横隔膜損傷とされている.大阪大学医学部附属病院における2004~2013年の10年間の腹腔鏡下副腎摘除術160例の術中の合併症は血管・臓器損傷21例(13.1%)で,開腹移行3例(1.9%),輸血3例(1.9%)であったが,手術関連死亡は無かった.臓器損傷の内訳は,肝損傷11例(61.0%),脾損傷5例(27.8%), 膵損傷1例(5.6%),腎損傷1例(5.6%)であった.いずれも損傷の程度は軽微なものでバイポーラ,モノポーラソフト凝固や吸収性局所止血材の使用により対処可能であった.腹腔鏡下副腎摘除の術中合併症の多くは技術向上や予防措置によって防ぎえるものであり,合併症対策・対応の教育,啓蒙が重要と考えられた.

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