腹腔鏡下腎尿管全摘除術におけるリンパ節郭清の問題点とわれわれの取り組み

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タイトル別名
  • Laparoscopic lymph node dissection at the time of nephroureterectomy for upper urinary tract cancer. Current issues and our experience.
  • フククウキョウ カジンニョウカン ゼンテキジョジュツ ニ オケル リンパセツカクセイ ノ モンダイテン ト ワレワレ ノ トリクミ

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説明

<p> 上部尿路上皮癌(upper tract urinary carcinoma:UTUC)に対する標準術式は開放手術による腎尿管全摘術(open nephroureterectomy:ONU)である.腹腔鏡下腎尿管全摘術(laparoscopic radical nephroureterectomy:LNU)はONUと比較して制癌効果が劣っているとの明確なエビデンスはないが,局所浸潤癌やリンパ節転移陽性例に対しては開放手術の優位性を示唆する報告が散見されることから,LNUは原則としてcT2以下の局所限局癌に対して選択すべきとされる.また,pTa/T1の非浸潤癌を除いたリンパ節郭清の治療的意義が議論されている現在,cT2のUTUCに対するLNUではリンパ節郭清術(laparoscopic lymph node dissection:L-LND)を併用すべきである.われわれは最近,リンパ節郭清術と尿管周囲組織の完全切除を意図し,腎尿管と同側の傍大血管リンパ節,後腹膜脂肪組織及び骨盤内リンパ節を可能な限り一塊として摘出する腹腔鏡下アンブロック腎尿管全摘除術に取り組んでおり,その手術手技を紹介する.また,腎尿管全摘除術におけるリンパ節郭清の合併症として術後の乳糜腹水が挙げられ,クリップによる確実なリンパ管閉鎖が勧められる.今後ONUと同様にLNUが許容される術式か否かについては,少なくとも推奨される範囲を含むLNDを併用したLNUの手技的な妥当性と,その制癌効果について検証すべきである.</p>

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