両眼開放下での調節・瞳孔反応測定における視標移動方法および速度の影響

DOI
  • 新井 慎司
    北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学
  • 魚里 博
    北里大学大学院医療系研究科視覚情報科学 北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Variations in Target Movement Method and Velocity on Accommodation and Pupil Response under Binocular Open Viewing Conditions

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抄録

両眼開放下・外部視標にて,視標の移動方法や速度を変更したときの調節・瞳孔反応を検討した。対象は健常若年者12名12眼(平均年齢21.8歳)とし,測定には両眼開放オートレフケラトメータWAM-5500 と視標移動システムとが一体となったWMT-1(シギヤ精機製作所)を用いた。視標の動きは,定速度モード(20~120 mm/secを20 mmステップ)と定屈折モード(0.1~0.6 D/sec を0.1 Dステップ)に設定した。視標の移動に伴う屈折値と瞳孔径を経時的に測定し,定速度と定屈折とのモード間,同一モードでの速度間で比較検討した。結果,最大調節反応量はすべての結果に有意差を認めなかったが,5 D 負荷時においては定速度モードのみ,視標速度が速くなるにしたがい調節反応量が低下した(p<0.05)。なお,瞳孔径はすべての結果に有意差を認めなかった。これらのことから,調節は両眼開放下・外部視標であっても視標の移動方法や速度に影響を受けることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 視覚の科学

    視覚の科学 35 (3), 61-65, 2014

    日本眼光学学会

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