自然軽快した鈍的心損傷による心房細動の1例

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  • A CASE OF A PATIENT WITH ATRIAL FIBRILLATION FROM CARDIAC INJURY WHO RECOVERED WITHOUT PHARMACOTHERAPEUTICS

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抄録

鈍的心損傷は症状が非特異的であり,心電図異常は診断の助けになる.薬物治療なしに自然軽快した鈍的心損傷による心房細動の1例を経験した.患者は22歳,男性.乗用車を運転中にトラックと正面衝突し救急搬送された.受傷時シートベルトは着用していた.来院時,自覚症状はなく,胸部に特記すべき身体所見は認めなかった.心電図で心房細動を認めたが,心筋トロポニン(cardiac troponin:cTn)Iの上昇はなく,心臓超音波検査も異常を認めなかった.受傷7時間後にcTnTの上昇を認めたが,受傷30時間後に薬物治療なしに洞調律に回復,cTnTも改善し第2病日独歩で退院した.鈍的心損傷による心房細動の報告は少なく,それらは薬物治療を要したと報告されており,本症例は貴重であると考え報告する.

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