低血糖による意識障害で発見されたACTH単独欠損症の1例

  • 小谷野 肇
    順天堂大学医学部附属浦安病院糖尿病・内分泌内科
  • 佐藤 淳子
    順天堂大学医学部附属浦安病院糖尿病・内分泌内科
  • 吉井 祥子
    順天堂大学医学部附属浦安病院糖尿病・内分泌内科
  • 小池 美江
    順天堂大学医学部附属浦安病院糖尿病・内分泌内科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF ISOLATED ACTH DEFICIENCY WITH SEVERE HYPOGLYCEMIA
  • 症例報告 低血糖による意識障害で発見されたACTH単独欠損症の1例 : 疫学調査をふまえた自発性低血糖症の鑑別診断
  • ショウレイ ホウコク テイケットウ ニ ヨル イシキ ショウガイ デ ハッケン サレタ ACTH タンドク ケッソンショウ ノ 1レイ : エキガク チョウサ オ フマエタ ジハツセイ テイケットウショウ ノ カンベツ シンダン
  • 疫学調査をふまえた自発性低血糖症の鑑別診断

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説明

42歳女性.低血糖による全身痙攣,意識障害で緊急入院となった.入院24ヵ月前に出産,18ヵ月前にインフルエンザ脳症の既往があった.HbA1c 4.9%,ACTH・コルチゾールの日内変動は消失して終日感度以下,24時間蓄尿中コルチゾールも感度以下であった.ホルモン基礎値はDHEA-S 2 μg/dl,TSHは軽度上昇,FT4は軽度低下,GH, PRL, FSH, LHは基準値内であった.4者(CRH, GHR, TRH, LH-RH)負荷試験でACTHは無反応であったが,GH, PRL, LHは正常反応,TSHは過剰反応を示した.ACTH単独欠損症(IAD)と診断し,ヒドロコルチゾンの補充療法開始後は低血糖を認めていない.また,補充後,TSH, FT4は基準値内になった.近年の疫学調査からIADはまれな疾患ではなく,その有病率はインスリノーマと同等以上と考えられる.IADは自発性低血糖症の重要な病因である.

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参考文献 (5)*注記

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