社会に対するOutcomeを重視した外傷センター整備が必要である

DOI
  • 益子 一樹
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
  • 松本 尚
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
  • 原 義明
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
  • 本村 友一
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
  • 齋藤 伸行
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
  • 八木 貴典
    日本医科大学千葉北総病院救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • "TRAUMA CENTER" IN JAPAN SHOULD BE PLACED WITH EMPHASIS ON THE ACHIEVEMENT TO SOCIETY

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抄録

<p> テロの危険性が増大し, 近隣国に関係した有事が懸念される中, 外傷診療の必要性が再認識されつつある. 日本外傷学会は2009年に10項目からなる「外傷センターの要件」を提示し, その後これまでにも多くの議論を重ねてきたが, 公的な動きとしての外傷センター設置は進んでいない. 米国に倣うのであれば, 診療成績や学術活動, 人材育成, 社会貢献などにつき実績を開示し, それを第三者機関により評価, 改善するシステムが構築されなければならず, 学会は診療成績の評価指標や教育プログラム, 社会貢献など, Outcomeの指標を提示すべきである. 当院の過去3年間の診療成績は, Injury Severity Score (ISS) ≧16の重症外傷のうち, provability of survival (以下Ps) ≧0.5の2.9%が死亡, Ps<0.5の32.2%が生存しており, このような簡便, かつ共通の指標が必要である. 全国均一な配置を目標とすれば重症外傷の希少性のために, これらの基準を下げざるを得ず, 意味を持たない. 現状の最高レベルで認定した外傷センターを教育, 研究, 診療の拠点として, 人材育成を進めるのが良策と考える.</p>

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