疥癬患者に接触した看護スタッフへの予防的治療としてのイベルメクチンの有用性

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〈はじめに〉疥癬患者と接触した医療スタッフに対する予<BR> 防的治療の是非およびその方法はいまだ確立されていな<BR> い。今回，角化型疥癬で入院中の患者に接触した看護ス<BR> タッフに，予防的治療の目的でイベルメクチンを投与した<BR> ためその結果を報告する。<BR> 〈疥癬症例〉８７歳，男性。心不全の診断で老人保健施設よ<BR> り当院に緊急入院。入院１ヶ月前より上半身に皮疹があ<BR> り，皮脂欠乏性皮膚炎と診断され，軟膏を塗布されてい<BR> た。入院８日目に当院皮膚科で角化型疥癬と診断された。<BR> 体幹に浸出液を伴う痂皮化した発疹を多数認め，イベルメ<BR> クチンの投与と安息香酸ベンジルローションの塗布がなさ<BR> れ，７週間後に治癒した。<BR> 〈看護スタッフへの予防的治療〉角化型疥癬と診断された<BR> 直後より，疥癬患者に対する感染予防策を行うとともに，<BR> 本例の看護に携わった看護師９名中８名にクロタミトンの<BR> 全身塗布を，皮膚炎を有する２名の希望者にイベルメクチ<BR> ンの内服を行った。クロタミトン全身塗布の煩雑性とその<BR> 効果の不確実性，イベルメクチンの効果の確実性とその安<BR> 全性より，最終的に看護師９名全員にイベルメクチンの予<BR> 防的内服を行った。イベルメクチン内服の４か月後までに<BR> 疥癬の感染は確認されなかった。また，本治療に関連する<BR> 副作用は見られなかった。<BR> 〈結論〉入院８日目に角化型疥癬と診断された患者を看護<BR> したスタッフ全員に，疥癬感染の予防的治療としてイベル<BR> メクチンを投与した。本治療後，看護スタッフへの感染は<BR> 確認されず，特別な副作用も認められなかった。以上よ<BR> り，イベルメクチン投与は疥癬患者接触者への予防的治療<BR> として有用である可能性が高い。<BR>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680493983104
  • NII論文ID
    130006943869
  • DOI
    10.14879/nnigss.58.0.93.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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