DPC導入後1年を経過して

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  • ~ 医事課からみたDPC ~

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<はじめに> 当院では平成18年4月よりDPCが導入となり1年が経過した。医事課 としての業務がどの様に変化し、どのような影響を及ぼしたかについて検討してみた。 <報告> (1) 出来高請求からDPC請求となってのメリット・デメリット 【メリット】 ・レセプト点検時間の大幅短縮 ・症状詳記添付レセプトの大幅減少 ・ダブルチェックされ精度の高い診療報酬請求 ・査定・返戻の減少 レセプト点検についてはDPC請求となり大幅に時間が短縮された。残業時間等の調査は行っていないが出来高請求時と比較し、深夜まで点検を行っているという光景はほとんど見られなくなった。 症状詳記について、導入前は外科系については10万点以上のもの、内科系については8万点以上のもの全てに添付していた。しかし導入後は35万点以上(中央審査レセプト)、心臓外科レセプト以外についてはほとんど添付することがなくなった(出来高請求分については従来通り)。 精度の高い診療報酬請求とはDPC導入後、当院では診療会計に医事課のみではなく診療情報管理課も携わるようになった。以前は医事課病棟担当者のみで入院から退院までの会計を行っていたが、診療情報管理士のチェックなく会計することがなくなった。 査定・返戻については前年度より返戻率、査定率ともに減少した。  【デメリット】 ・日常業務の負担増 ・急な退院への対応の遅れ ・入院費概算の問い合わせに対しての対応の遅れ  DPC導入により<従来の業務+DPC業務>となった為、日常業務の負担は増えた。導入当初はレセプト点検の時短分以上に日々の業務時間が嵩んだが一年経過し経験とシステム対応により負担の軽減が図られているのではないかと感じられる。  診療情報管理士のチェックがないと最終的なコード決定が成されないため、急な退院や概算の問い合わせに対しての対応が遅れてしまうのが現状である。 (2)当院におけるDPC請求業務  当院のDPC請求業務において最も特徴的なのは医事課と診療情報管理課が連携して診療報酬請求を行っている点である。DPC導入にあたりいくつかの病院を視察したが医事課もしくは診療情報管理課のどちらかが主導で行っている病院だけであった。当院では前述した通り診療情報管理士のコーディングチェックがない限り退院会計ができないルールになっている。それはとりもなおさず診療報酬請求の質を高めているといえる。このような体制を構築できたことは大きな成果であった。 <今後の課題> 課題として挙げられるのは日常業務の負担軽減と医事課職員のコーディング知識の向上である。現在診療情報管理士が判断したコードを医事課職員が疑問を持たず登録しているケースが多くみられる。医事課職員のコーディング知識の向上により更に質の高い診療報酬請求が行われるものと考える。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680494113664
  • NII Article ID
    130006944020
  • DOI
    10.14879/nnigss.56.0.182.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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