静岡県厚生連医療情報システムマスタ連携について

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  • 統合型医療情報システム・管理・運用

抄録

静岡県厚生連医療情報システムマスタ連携について 武者節子(むしゃせつこ) 玉内登志雄・石井敏陽・原川隆司・野村豪・安本和正□ 静岡厚生病院・施設課 静岡県厚生連・企画課□□□ 統合型医療情報システム・管理・運用 〈緒言〉静岡県厚生連には当院を含め、遠州病院、清水厚生病院、中伊豆温泉病院の4事業所があり、医療材料の診療報酬請求点数登録マスタ(以下「点数マスタ」)は、事業所ごとに医事課が管理している。点数マスタについては、診療報酬改定時や新規材料採用時に、登録内容の訂正、又は新規登録を行なっている。2003年3月に、4病院共通の院内オーダリング電算システムが導入され、それを機会に電子媒体による診療報酬請求(以下、「レセプト請求」)を実施することになったため、それまでの点数マスタに厚生労働省が設定するレセプト電算コードを追加登録することが必要となった。そこで、日本文化厚生農業協同組合連合会(以下「文化連」)と連携し、医療材料マスタ(以下「材料マスタ」)にレセプト電算コードを追加することにより、レセプト請求に必要な医療情報を一括して点数マスタに取込むことで書替えが可能となる統合型医療情報システムを構築した。そのレセプト請求業務に対する効果と、実施後に明らかとなってきた今後の課題について報告する。 〈方法〉当院を含む3事業所の購入管理部門では、文化連との共同購入の取組みを通じ、文化連が作成管理する材料マスタを使用したSPDシステムを1999年から運用している。材料マスタにはレセプト請求に必要な、商品名・規格・容量・保険請求名・償還価が登録されており、レセプト電算コードを追加したデータを文化連が一括作成して静岡県厚生連に配信し、各事業所医事課が点数マスタに取込み作業を行なうこととなった。医事課ではデータ取込みの際、画面にエラーメッセージが表記された場合に内容を点検するが、主なエラーメッセージは、採用中止材料で使用期限の入力が必要な場合、インプラント等のセット材料に内訳コードを入力する場合、創傷被覆材のように購入単価と請求単価が違う場合に表記される。作業は2年に1回の診療報酬改定時と、通常更新時の2つに分けることができる。通常更新時にはマスタ新規作成を文化連に依頼すると、静岡県厚生連のサーバーへ新規材料マスタが送信される。マスタ送信は9時から17時まで1時間おきに実施され、事業所には文化連より取込み時間が連絡される。 〈結果〉統合型医療情報システムの構築前は、診療報酬改定時の更新作業は、当院では約20,000件の材料マスタについて個々の変更内容を調査し、約一ヶ月かけて6、7名の医事課職員が通常業務と平行して登録内容の訂正を行なっていた。構築後は文化連による材料マスタ一括メンテナンス処理により、診療報酬改定の対象で、変更になる材料マスタのみが送信される。構築前の3分の1の約6,000件で、点数マスタへの取り込み作業は1名で行い、約1日半で終了できるようになった。通常更新は年間約600件新規作成依頼をしており、基本的に依頼した翌日には送信される。現状5桁コードで管理している点数マスタコードが、増えつづける医療材料に対応するため未使用エリアを圧迫し、付番できるコード数に限界が近づいていることが問題化して来ている。 〈考察〉統合型医療情報システムを構築することで、点数マスタの管理がすべて外部からのデータ取込みで完了することになった。コード数の限界については、現在採用中止材料の点数マスタコードを、新しい材料に更新して対応しているが、今後改定頻度の増加が予想されるため、5桁以上のコードエリアを考慮する必要性があると考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680494501376
  • NII論文ID
    130006944459
  • DOI
    10.14879/nnigss.57.0.204.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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