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農村地域における高齢者乳がん治療の現状
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<目的> 世界保健機構の平成18年4月発表によると日本男性の平均寿命は79歳,日本女性の平均寿命は86歳と世界一である。さらに農村地域においては高齢者患者の占める割合が都市部と比較して高く,受診がん患者の高齢化傾向も目立つ。過去6年間に当科で手術治療した80歳以上乳癌症例において,臨床像および治療を検討し,農村地域における高齢者乳がん治療の現状について知ることを目的とした。<BR><対象と方法> 平成12年8月より平成18年2月までに経験した80歳以上乳癌14例を対象とした。男性1例・女性13例であった。年齢は80歳から95歳(平均84.4歳)であった。対象例において,臨床像,病期,術前合併症,重複癌,術後内分泌化学療法,生存率,予後および死因について検討した。<BR><結果> 主訴はしこり13例,血性乳汁分泌1例であった。腫瘤の大きさは2cm未満が3例で2cm以上が11例であった。病期分類はI:1例,IIA:5例,IIB:3例,IIIA:1例,IV:2例,判定不能2例であった。判定不能はリンパ節郭清を施行しなかったためであった。術前合併症は心疾患:9例,COLD:1例,痴呆1例。重複癌が3例(胆嚢癌、子宮癌、対側乳癌+甲状腺癌)であった。全例がん告知された。ホルモンレセプターは陽性6例,不確実5例,陰性3例であった。術後補助療法は内分泌療法9例(AI8例、フェアストン1例),化学療法3例(重複あり)(FEC1例、UFT3例)であった。補助治療なし4例であった。放射線療法は乳切後リンパ節転移個数7個症例の1例のみであった。予後は14例中9例生存。死亡5例の死因は乳癌死:2例,他癌死(胆嚢癌):1例,肺炎:1例,COLD急性増悪1例であった。Kaplan-Meier法による3生率は約40%であった。<BR><まとめ> 80歳以上高齢者乳癌自験例をまとめると腫瘍径2cm以上例,術前合併症を有する例が比較的多かった。ホルモンレセプター陽性・不確実例は約79%であった。アンスラサイクリン系抗ガン剤を用いた化学療法例は少なかったが内分泌療法は積極的に施行された。温存手術希望例は少なった。3生率は約40%であった。<BR><結論> 高齢化社会が進む現在,がん治療にもその波が押し寄せている。近年がん治療においてはEBMやガイドラインが重要視されているが,その中には年齢の考慮はなく,また年齢を考慮した具体的なPSの違いも明記されていないのが現状である。臨床の現場では高齢者がん治療としては本人および家族と十分な話し合いを持ってEBMやガイドラインを参考とした個々人にあった医療になることが多い傾向であった。
Journal
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- Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu
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Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu 55 (0), 147-147, 2006
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680495141888
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- NII Article ID
- 130006944935
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed