当院におけるオピオイド鎮痛薬導入時の処方実態調査
Description
【緒言】<BR> わが国では2007年4月1日より、がん対策基本法が施行された。また2008年4月1日には、がん性疼痛緩和指導管理料が新設され、緩和ケアの重要性や関心はますます高まっていると思われる。そこで、当院のがん性疼痛治療における強オピオイド鎮痛薬(以下、オピオイドとする)導入時の処方実態を把握するために調査を行ったので報告する。<BR>【方法】<BR> 当院で2007年10月から2008年9月の間に、がん性疼痛治療を目的に、注射薬を除くオピオイドが初回導入された患者を対象とし、診療録にてオピオイド導入時から2週間における、定時投与されたオピオイド(以下、基本オピオイドとする)・レスキュー・非オピオイド鎮痛薬・副作用対策薬・鎮痛補助薬の使用動向を調査した。<BR>【結果】<BR> 対象患者169名であり、導入時の処方はオキシコドン徐放錠10mg/日で導入された患者が140名(83%)で最も多く、オピオイドの増量は82件(89%)で適正に行われていた。オピオイドローテーションが実施されたのは、のべ11件であり、全ての症例で基本オピオイド量は適正に変換されていた。基本オピオイド導入時にレスキューが処方された患者は73名(43%)。オピオイド導入時から2週間後まで非オピオイド鎮痛薬が継続処方されていた患者は97名(57%)。オピオイド導入時に制吐剤が処方されていた患者は56名(33%)、緩下剤が60名(36%)であった。明確に鎮痛目的に鎮痛補助薬を使用していたと判断できた患者は5名で、うち4名に緩和ケアチームが介入していた。<BR>【考察】<BR> オピオイド初回導入時の薬剤選択や用量設定、オピオイドローテーション実施時における基本オピオイドの変換は大半が適正であったと考える。しかし、レスキューの処方や非オピオイド鎮痛薬の使用、薬剤によるオピオイドの副作用対策は不十分であると思われる。今後はこういった不十分な現状の周知、背景の調査を行ない、問題点が改善するよう取り組んでいく必要があると考える。
Journal
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- Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu
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Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu 59 (0), 255-255, 2010
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680495291264
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- NII Article ID
- 130006945073
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed