男性看護師による女性患者への排泄・清潔ケアの実施状況
説明
はじめに<BR> 男性看護師が女性患者に清潔・排泄ケアを断られる現状と、その際の男性看護師の対応を明確にする事で女性患者にとって望ましい対応方法を見出すため調査をしたので報告する。<BR> 研究方法<BR> 2008年4月に当院在籍し、かつ新人を除いた病棟勤務の男性看護師17人を対象に質問紙調査を行い集計した。<BR> 倫理的配慮<BR> 対象者へ研究の趣旨とプライバシーの保護を文書で説明し、同意を得た上で調査を行った。<BR> 結果<BR> 有効回答は13人。「男性看護師という理由から女性患者に看護ケアを断られた経験の有無」は「時々拒否される」8人、「拒否されるが説明を行えば受け入れられる」が3人で、理由は「恥ずかしい」9人、「男性だから」3人であった。「断る患者の年齢」は「50代」6人、「20代・30代・70歳以上」各5人、「10代・40代・60代」各3人で、「ケアの内容」は「排泄ケア」10人、「清潔ケア」8人であった。「その対応」は「女性看護師と交代」11人、「説明を行った上でケアを実施」4人、「女性看護師と一緒に実施」3人であった。<BR> 考察<BR> 春日ら1)が「看護の持つ性質・要素のなかに病めるものへのいたわり、優しさが求められ、それが女性のジェンダー・ステレオタイプとあい通じるものがあり、看護はあたかも女性の職業として位置づけられてきた。そのため、羞恥心を伴う援助における男性の看護師の受け入れは難しい状況となっている。」と述べているが、質問紙調査でも同様の結果が得られた。そのため、男性看護師に対して抵抗感を持つ場合や羞恥心を伴うケアを行う際は、女性患者の年齢に限らず説明を行い、患者の意向を確認し同意が得られれば実施、得られなければ女性看護師と交代する。または、女性看護師と一緒にケアを行うことが望ましい対応ではないかと考える。<BR> 引用文献<BR> 1)春日キスヨ:ケアとジェンダー,看護学雑誌66(11):990、2002.
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 59 (0), 246-246, 2010
一般社団法人 日本農村医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680495339776
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- NII論文ID
- 130006945153
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可