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急性薬物中毒患者の動向と今後の課題
Description
<はじめに>急性薬物中毒では誤薬や自殺企図など様々な原因があるが、その8割は自殺企図であると言われている。当院においても過去の調査から81.9%が自殺企図患者であった。そのため、コメディカルとの協力体制や精神科医療施設との連携を図ってきた。そこで今回、急性薬物中毒患者の動向を調査することで、看護介入のあり方や今後の課題について考察したので報告する。<BR><研究目的>急性薬物中毒患者の特性と傾向を調査集計し、どのように変化しているのかを明らかにすることで、今後の看護の方向性と課題を見いだすことができる。<BR><倫理的配慮>調査対象者の個人情報の保護に努める。<BR><研究方法>対象:A群(過去の調査) 1988年6月から1999年12月までに入院した中毒患者(n=593)<BR>B群 1999年1月から2005年12月までに入院した中毒患者(n=356)<br> データの収集:入院カルテから年齢、性別、原因物質、在室日数、自殺企図の有無を調査。<BR><結果>表1に示すように自殺企図は増加傾向であるが有意差までは認められなかった。原因物質では医薬品に対し有意にB群で増加が認められており、家庭用品、自然毒では減少が認められた。<BR><考察>当院では2002年より心療内科医師による外来診療が始まり、入院早期から精神科医療の協力を得やすくなった。しかし、自殺企図患者が減少していないことは患者を取り巻く環境や複雑な社会状況があり医療者では対応しきれない部分も大きいと考える。急性薬物中毒の8割強は自殺企図であり、医薬品の多量服用によるものが多いことが結果からも明らかになっており、この数字は岩崎1)らが報告した34%と比較しても極めて高かった。岩崎1)らが報告してからすでに10年を経過しており、この間に、(1)薬物の氾濫と多様な入手経路、(2)薬物の危険性に対する認識希薄化・容易な認識が進んだものと考える。看護師は救急の現場において短い期間でも信頼関係を構築し効果的なサポートを行うことが求められている。そのため患者や家族の立場になって傾聴し理解的態度で対応が必要不可欠である。さらに、患者を取り巻く危機を理解したコミュニケーションが必要であり、状況や今後の見通しを伝え、不安の緩和や精神的支援に努力している。今後は自殺企図患者への更なる社会資源を含めたサポート体制を考えていく必要がある。<BR><BR><参考文献><BR>1)岩崎康孝、黒澤尚、山本保博、他:第三次救急施設に搬入される自殺未遂者の自殺企図前後の精神科治療の経過について.精神科治療学9:183-195,1994<BR>
Journal
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- Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu
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Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu 55 (0), 277-277, 2006
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680495513472
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- NII Article ID
- 130006945324
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed