討議支援としてのグループウェアの活用

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  • -昭和病院と愛北病院の統合に向けて-

抄録

<緒言> 平成20年に昭和病院と愛北病院が統合し新病院設立を控え、病院システムや放射線機器の選定を両病院の技師でチームを組み行っている。遠隔地のため、討議の機会・時間の制約が問題となっていた。討議の支援のためにグループウェアを利用し、その有用性を検討した。<BR><方法> システム概要:desknet’s(ジェービーピー社)を採用した。Application Service Provider(以下ASP)形式であり、インターネットに接続できる環境下でパソコンや携帯電話からWebブラウザを使って自由に利用できる環境とした。セキュリティーのためパスワード入力によるログイン環境とした。機能として、チーム全体に広報を行うため掲示板機能、スケジュールを共有するスケジュール機能、打ち合わせやテーマに対して討議する電子会議室機能、書類をデータベース化して共有する文書管理機能を主な利用目的とするシステムとした。また、各機能におけるファイル添付機能も活用した。<BR> アンケート項目:1)利用頻度、2)利用用途、3)利用による委員会討議の変化の有無、4)グループウェア利用前後での問題点・意見などを主な内容とし、アンケート調査を実施し有用性と問題点の評価を行った。<BR><結果> 10名の委員全てから回答を得た。「利用頻度」は、毎日から3日に1回が80%を占めた。平均は2日に1回であった。「利用用途」は、各機能への閲覧が10名(100%)であった。掲示板機能、電子会議室機能への書き込みは3名(30%)であった。「委員会討議の変化の有無」は、有りが8名(80%)、無しが2名(20%)であった。<BR> 記載のあった代表的な意見は、グループウェア利用前より、1)コミュニケーション不足を乗り越え、委員会のメンバー以外でも意見の交換が行えた8名(80%)。2)いつでも、どこからでも討議内容の確認が行え、情報の共有化が出来た7名(70%)。3)連絡や確認事項を行う際に時間短縮が図れた7名(70%)。4)委員全てのスケジュール把握が簡便になった4名(40%)。5)個々に作成された事前資料や議事録を一元管理する事が可能となった3名(30%)。6)多くの紙が発生していたが、一部でペーパーレス化が進んだ2名(20%)。<BR><考察> 遠隔地のチーム間で討議を行う際に、グループウェアの利用により、迅速な情報の共有化や多様なコミュニケーションが図れる可能性が示唆された。スケジュール機能や文書管理機能は、多く利用されていたが書き込みに関しては一部の委員に限られており、より有効活用するためには、積極的に情報を登録してもらい共有を促す必要がある。また利用にあたっては、サービス提供事業者のサーバ上に各種情報が蓄積されるため、情報の取り扱いポリシー等の利用規定をどのように定めるかがあり課題である。今後は、導入のコストに対する、「得られる効果・時間」「節約できた労力」のトータルバランスにおける導入効果を検討の後、他の委員会や放射線科全体のミーティングといったより大規模な利用が期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680495541376
  • NII論文ID
    130006945359
  • DOI
    10.14879/nnigss.55.0.243.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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