フットケア外来の活動報告

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抄録

<はじめに>糖尿病患者の足病変の予防、早期発見、また悪化の防止を目的に医師の診察と連携してリアルタイムにフットケア外来を継続してきた。その実績の評価を得て他病院からも多数の重症足病変患者の紹介を受け入れるようになった。過去5年間のフットケア外来の活動内容について報告する。<BR> <結果>足壊疽は25名で大半は他病院からの受け入れであった。マゴットセラピーを施行した患者9名、一部でも切断に至ったもの6名と重症潰瘍が多かった。その他のケア内容は、胼胝や鶏眼処置が18名、白癬ケア20名、爪の手入れ18名、皮膚乾燥や亀裂ケア3名、水疱などの創処置12名であった。足の変形があったり胼胝が繰り返しできる患者にはフットプリントをおこない、その原因を探り足底板を作成した。白癬の患者は非常に多く、自宅でのケアの注意点を指導した。また、創処置が必要な患者や切断歴のある患者には、現在の足に対する思いや日常生活上で困ったことはないかなど気持ちを確認していった。足病変を持つ患者のケアの問題点としては、視力障害などにより自己管理が難しい、胼胝処置など専門的なケアが必要などであった。フットケア外来を通して患者の自宅でのケアの質が向上し、ケア物品を購入する、足病変につながる自己流の処置を改める、足の異常に気づき早めの受診行動をとるといった患者の行動変容がみられるようになった。<BR> <考察>足への関心が乏しい患者でも根気よく関わってゆくことにより、自ら日々のケアができるようになり、ケアの方法や足の変化を看護師が定期的に観察し支援してゆくなど、患者の検査データもふまえタイミングを逃さず対応してゆくことで足病変の悪化を回避し、患者のケアの継続につながってゆくのではないかと考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680495641856
  • NII論文ID
    130006945484
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.141.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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