当院の心臓MRI(遅延造影)の取り組み

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〈はじめに〉近年,MDCT の急速な進歩により,冠動脈<br> の造影CT は冠動脈造影検査の1つとして位置づけられつ<br> つある。これに対して心臓MRI は,シネMRI による左<br> 心室の機能や壁運動の診断,遅延造影による梗塞心筋の組<br> 織性状など,主として機能的診断に有用性が高い。<br> 今回,当院の心臓MRI(遅延造影)の取り組みについて報告する。<br> 〈当院の心臓撮影手順〉<br> (1)位置決め画像:Survey<br> (2)体軸横断像:CINE<br> (3)二腔長軸像:CINE<br> (4)水平長軸像:CINE<br> (5)左室短軸像:CINE<br> (6)四腔長軸像:CINE<br> 〈造影剤注入(Gd-DTPA)〉<br> (7)Look locker(1回の呼吸停止撮影で異なるTI 値の画像<br> が撮影できる。TI 値を決定)<br> (8)遅延造影:二腔長軸像<br> (9)遅延造影:水平長軸像<br> (10)遅延造影:左室短軸像<br> (11)心機能解析(EF など)<br> 〈遅延造影MRI のポイント〉遅延造影MRI は負荷を必要<br> としない簡単な検査法であるが撮影条件(TI)の設定が<br> LGE(Late Gadolinium Enhancement)の有無と範囲を<br> 的確に診断できない事例が多く見受けられる。これは正常<br> 心筋を無信号となる最適なTI をすることがこの検査を成<br> 功させる上で重要なポイントになる。よって遅延造影<br> MRI は技師の経験・技量により,画質や診断能に影響す<br> る検査である。<br> 〈遅延造影の撮影条件を決めるポイント〉正常心筋を無信<br> 号にするタイミングNull Point で撮像するが,これは患<br> 者毎に心筋のT1回復時間が異なるため,あらかじめ<br> Look Locker シーケンスにて正常心筋のNull Point を検<br> 索する。信号強度が最も小さいTime+40~50ms をTI と<br> して,パラメーターに入力する。また,造影後の撮影タイ<br> ミングについては患者毎にT1短縮効果が異なる。プラン<br> 中もNull Point も変化していくので考慮しなければならない。<br> 〈おわりに〉当院では,上記のようなポイントを考慮し,<br> 撮影の標準化に取り組んでいる。<br>

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  • CRID
    1390282680495682432
  • NII Article ID
    130006945532
  • DOI
    10.14879/nnigss.58.0.243.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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