佐渡コホートの概要

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抄録

はじめに】佐渡島において生活習慣と動脈硬化性疾患の関係を明らかにし、その予防に役立てるために佐渡コホートを立ち上げた。現在7年目の追跡を行っている。今回はコホートの概要ならびに平成22年2月までの追跡の結果を報告する。<BR> 対象と方法】平成14年、15年に実施された住民検診の受診者ならびに当院の人間ドック受診者のうち本調査を理解し、これに同意した島民を登録した。登録時に身体計測、血圧・脈拍測定、心電図、血液、尿検査および質問紙を用いた食事、身体活動ならびに病歴調査を行った。登録後毎年、全死亡と脳卒中、心筋梗塞等の発症を追跡している。追跡は毎年佐渡市から住基情報および検診情報の提供を受け、その情報をもとにアンケート調査を行い、必要に応じたカルテ調査により行っている。全死亡、心血管疾患(急性心筋梗塞と全脳卒中)罹患における危険因子(喫煙、飲酒、血圧、血糖、脂質、心房細動など)は性年齢を補正した多変量補正コックス比例ハザードモデルにより分析し、危険率5_%_以下の項目を有意な危険因子とした。<BR> 結果】登録者は男性3526名(平均年齢65.2才)、女性4936名(平均年齢64.3才)、合計8462名だった。<BR> 平成22年2月までに491名が死亡した。このうち273例の死因をカルテ調査から確定した。がん死129例、血管障害による死亡は40例だった。120例の初発脳卒中および34例の初発急性心筋梗塞を観察した。全死亡の危険因子として、喫煙、やせ、高血糖、脳卒中の危険因子として高血圧、高血糖、心房細動、心筋梗塞の危険因子として低HDLコレステロールが抽出された。 結語】佐渡島において8462名からなる、生活習慣と死亡・疾患発症の関連を明らかにすることを目的としたコホートを立ち上げ、追跡を行っている。結果の一部を報告した。<BR>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680495811840
  • NII論文ID
    130006945587
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.97.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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