リアルタイム外部精度管理システム“eQAPi”の有用性

DOI

抄録

【はじめに】<BR> 現在、我々検査部には、日常の精度管理を含めた検査データの信頼性、質の向上が求められている。これらの分析装置の精度管理を行なうため、パソコンを用いて精度管理試料による内部精度管理とインターネット回線を活用した外部精度管理に取り組んでいる。これにより、日常検査の精密さが長期にわたり維持・管理され、同時に正確さが確保されることで検査データの信頼性を得られるようになった。<BR> 今回は、そのリアルタイム外部精度管理システム“eQAPi”の使用状況とグループ内での運用について報告する。<BR>【方法】<BR> 今回我々は、自動分析装置にシスメックス社のQOP(QAP Online Program)を接続し、日々の精度管理試料の測定データを自動的にパソコンに取りこみ、インターネット回線を利用してeQAPiサーバに転送する方法を採用した。<BR>【使用状況】<BR>1)リアルタイム異常判定<BR> 精度管理試料の測定データをeQAPiサーバにオンライン送信し、施設専用のWebサイトにアクセスして、自装置のエラー状況やデータの多様な解析結果などを閲覧することができる。<BR>2)異常判定ルール<BR> eQAPiシステムでは、精密さと正確さの両面から判断できるように、日内データまたは、日次・月次データの平均値チェックだけでなく、ばらつきの程度についてもチェックを行なえる。この異常判定ルールを各項目ごとに設定できる。<BR>3)グループ施設管理機能<BR> グループ施設は、お互いにWebサイトからグループ内各装置のデータやエラー発生状況を閲覧することができる。また、グループ内独自のターゲット値(平均値、標準偏差)の設定・エラー判定条件の設定が可能である。<BR>【まとめ】<BR> eQAPiシステムを使用することで、内部精度管理と外部精度管理の両方を一目で確認できるようになった。また、当院を含めた厚生連6病院によるグループ内施設での統計データの解析も可能であり、検査データの共有化の点からも信頼性・質の向上が期待され、しいては、病院機能評価やISO認定取得にも有用であると思われる。<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680495886592
  • NII論文ID
    130006945661
  • DOI
    10.14879/nnigss.54.0.272.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ