急性脳症に類似した急激な脳腫脹から臨床的脳死状態となったインフルエンザ菌髄膜炎の4歳男児例

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  • Fulminating Meningitis Caused by Haemophilus Influenzae with Rapid Progression of Severe Brain Edema Similar to Acute Encephalopathy

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抄録

 インフルエンザ菌 (Hib) による劇症型髄膜炎の1男児例を経験した. 症例は4歳男児. 生来健康であったが, 発熱, 嘔吐を来し傾眠傾向となった. 発症12時間後より細菌性髄膜炎の治療を開始したが, 急激な脳腫脹から脳ヘルニアを来し臨床的な脳死状態となった. 本症例は急性脳症と類似した臨床経過・画像所見を示し, さらには発症1日目の髄液で炎症性サイトカインが著しい高値を呈していた. 文献的考察から, Hibによる劇症型髄膜炎には, DIC (disseminated intravascular coagulation) ・多臓器不全型と急性脳腫脹型があり, 本例はサイトカイン・ストームによる急性脳腫脹型であると考えられた.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 41 (6), 447-451, 2009

    一般社団法人 日本小児神経学会

参考文献 (18)*注記

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