電子カルテ化に伴うRIS・PACSシステム構築の紹介

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説明

<緒言>ここ数年で放射線科内のシステム化が急速に進んでいる。その中でもフィルムレス・ペーパレス化が一つの良い例と言えるだろう。当院放射線技術科でも2009年5月の病院情報システム(以下HIS)導入による電子カルテ化に伴って放射線情報システム(以下RIS)を導入し、医用画像情報システム(以下PACS)を先行して導入した。新たなシステム化への構築方法及び業務改善に繋がった一例を紹介する。<BR><方法>PACS・レポートシステムを電子カルテ化の1年前を目途に構築した。更に放射線科医師が作成したレポート(約10年分)のDataBaseをコンバートした。RISシステムではWEB対応とし、HIS、RISを1台のPCにて相乗りさせることで省スペース化を図った。又RISと各モダリティをMWM接続し、PACS・レポートシステムともI/Fによりオーダ連携を行った。<BR><構成>HIS:NEC社製MegaOakHR RIS:東芝社製RapidEyeAgent PACS:PSP社製Extserver Viewer:PSP社製EvInsite レポートシステム:PSP社製i-Report<BR>システム構成図の詳細は別紙にて掲示する。<BR><結果>PACS・レポートシステムを早期導入することで、過去の画像とレポートが参照可能となりスムーズなフィルムレス化に繋がった。RIS導入で改善された点は、1医療過誤の抑制、2検査の質向上、3検査効率の向上、4検査時間の短縮、5放射線科経営指標の活用等が挙げられる。バーコードで患者認証することにより、患者間違いがほぼ無くなった。HISでのカルテ記事、MRIの問診票、造影検査に必要な承諾書、RISでの患者基本情報、検査コメント、検査履歴等が検査最中にも容易に確認することが可能となり検査の質や効率の向上に繋がった。<BR><考察>システム導入により作業効率、時間短縮、サービス向上等業務改善された。しかし廃止業務が発生する半面、CD作成、他院からの画像取り込み、画像転送のチェック、サーバの管理等幾つか新規業務も発生している。これら業務が煩雑にならない様運用をしっかり確立する必要がある。また今後はメンテナンス、画像管理、モニターの精度管理などのQCワークへの対応も行う必要性があると考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680496392448
  • NII論文ID
    130006946088
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.329.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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