情報共有によるクレーム対応をCS向上へ
Description
<はじめに><BR>医療の質の向上は医療サービスを受ける側、いわゆる顧客の満足(以下CSとする)に結びつかなければならない。<BR>当院において2000年1月、顧客が医療に求めている透明性、公開性への対応として小冊子を作成、配布。当院で実施されている医療サービスを項目別に説明し、公開する事により、医療を受ける側と提供する側との情報共有となっている。特にクレームに関係する項目については意見や苦情の共有に結びつき、それらを生かす事によって病院のCS向上につながっているので報告する。<BR><方法><BR>1.情報提供と共有のための小冊子を作成、配布。<BR>・2000年1月「当院で行なわれている情報開示、インフォームドコンセント」を作成、当院で行なわれている医療、18項目について掲載。<BR>・2001年改訂版を発行、20項目を掲載。<BR>・2003年改訂版「この病院をよりよく知っていただくために」を発行、29項目について掲載。<BR>2.冊子中の「全ての投書の回答つき公開」・「病棟患者さんトレース制度」の対応。<BR>・回答つき投書の公開は病院利用者及び地域の人々との対話のために公開。内容を「施設・機能」、「接遇」、「待ち時間」、「情報提供」、「入院給食」の5項目に分類し、対応。<BR>・「病棟患者さんトレース制度」はより良い病棟への改善のために退院間近な患者さんに入院中、気づいたことを聴衆。<BR><結果及び考察><BR>情報公開と情報共有を目的に小冊子を作成、配布した事は医療を受ける側が、病院の方針や提供されている医療サービスについて、その項目や内容を詳しく理解する事ができ、患者さんの自己決定権の援助、医療に対する不安の軽減や安心感につながったと思われる。また小冊子によって病院への意見、苦情、感謝の気持ちを伝える方法を知った事で今迄、極端な不満か大感謝、大感激した時だけだった投書がちょっとした疑問や不満も投書に加わり「患者さんの声」に寄せられる投書の量が増加、また、「病棟患者さんトレース制度」の意見も多く聞かれる様になったがこれは医療サービスの質が低下したわけではなく顧客の期待レベルが向上した事と、積極的に医療の問題に取り組む姿勢の表われと考えられる。<BR>「病棟患者さんトレース制度」による患者さんの意見は「病院の向上のために」と前置きしてのクレーム発言が今後のサービス向上に生かされる有益な情報であり病棟にとっては、患者さんの生の声として師長を通してダイレクトに伝わり、ふり返りや改善のための貴重な意見となり、患者さんにとっても病棟への意見が言える有意義な時間となる。この時、医療者側への感謝の気持ちも伝えられる。顧客と問題点を共有する事によって、業務面、意識面において病院全体のCS向上につながり、しいては医療者側の満足向上にも結びついた。<BR><結論><BR>・小冊子による情報共有はCS向上につながった。<BR>・クレームはCS向上のための糧ととらえ、今後の改善に生かす事が重要である。
Journal
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- Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu
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Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu 54 (0), 7-7, 2005
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680496570368
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- NII Article ID
- 130006946248
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed