超音波装置による根管内破折ファイル片除去に関する基礎的研究

  • 梅里 朋大
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 田辺 理彦
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 東田 大輔
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 平山 圭史
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 木村 裕一
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 山崎 信夫
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野
  • 天野 義和
    奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯内療法学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Basic Study on Removal of Intracanal Broken Files by Ultrasonic Device

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説明

この研究の目的は,根管内器具破折モデルを使用した基礎的研究で,超音波装置の強さ,破折片の長さや大きさ,超音波装置使用時における注水の有無での破折片除去時間に関して,除去効果を比較検討することである.透明根管模型にピーソーリーマーで根尖相当部から1mm上方まで根管相当部の拡大を行い,根尖相当部をファイルで拡大後,破折ファイル片として切断したKファイルを透明根管模型に押し込み根管内でのファイル破折を再現した.超音波装置の強さを調べる実験では,長さ3mmで#30のファイル片を使用して周波数28.8kHz(以下,強さ1と略す),周波数29.6kHz,周波数30.4kHzで行い,破折ファイル片の長さに関する実験では,#30のファイルで長さ3,5,7mmのファイル片を作製して強さ1で行い,破折ファイル片の号数に関する実験では,長さ3mmで#20,#30,#40のファイル片を使用して強さ1で行い,超音波装置使用時における注水の有無に関する実験では,長さ5mmで#30のファイル片を使用して強さ1で行い,除去時間を測定し比較検討した.超音波装置の強さに関しては強いほうが破折ファイル片の除去に要した時間が有意に短く,破折ファイル片の長さと号数に関しては長くて大きくなるほど除去に要した時間が有意に増加した.また,超音波装置使用時における注水の有無では注水下のほうが除去に要した時間は有意に短かった.以上の結果より,透明根管模型では超音波装置の強さ,破折ファイル片の長さや号数,また注水の有無など,超音波装置の条件や破折状態が変化することによって破折ファイル片の除去に要した時間がほとんど規則的に変化したことから,破折片除去には条件や状態により規則性があることが示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (26)*注記

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