高年齢乳房に対する画質向上の検討

説明

【はじめに】高年齢に伴い乳腺が減少し、乳房の下垂がみられる場合が多い。当院では通常腹臥位で撮像を行うため、下垂した乳房では、へちま状になってしまうことが多い。MR検査では空気の部分が多いと磁場不均一となり、脂肪抑制不良などの画質低下につながるため、乳房の形状に合わせ、ポジショニングを工夫することで画質改善を検討したので報告する。<BR>【使用装置および撮像方法】東芝社製1.5T EXCELART Vantage Powered by Atlas(7ch Breast SPEEDER)。撮像方法は脂肪抑制併用(T2強調画像・T1強調画像)を使用した。<BR>【方法】インフォームドコンセントを十分に行った高齢者のボランティアにて、コイルと被写体との空間をなくすため、空気を含むと予測される箇所に、固定具を置いた場合と無い場合で、整位の状態および脂肪抑制画像にて画質比較を行なった。固定具には、パラフィン・米を使用した。<BR>【結果】_丸1_固定具無しの場合、シミング波形の半値端が大きくなり、脂肪抑制画像に抑制ムラが見られる部分があった。_丸2_パラフィンの場合、シミング波形の半値端が大きくなったが、脂肪抑制は良好であった。_丸3_米の場合、シミング波形の半値端が小さくなり、脂肪抑制が良好であった。また、乳房の形状を左右均等に整位することが出来た。<BR>【考察】今回使用したパラフィンは、0.5mm程度の粒状であり、理想とする形状を保つことが困難であったため、良好なシミング波形を得ることが出来なかったが、空気の部分を減らすことが出来たため、脂肪抑制画像は良好であった。米は衛生上の問題が懸念されるので、今後はパラフィンの固定具を改良していきたい。<BR>【結語】固定具を使用することで、画質改善がみられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680497494912
  • NII論文ID
    130006946581
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.438.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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